特別に音楽に関心を持たない人でも、あの黄色いショッピングバッグや「NO MUSIC, NO LIFE」のフレーズがどこのものか知らない人は少ないだろう。タワーレコード――現在に至る音楽産業の重要な礎を築いた存在。そして例えば1960~70年代のサマー・オブ・ラブ、1990年代のインディーズブームや渋谷系カルチャーなどと補完関係にあったように、時代を飾るポップカルチャーと常に寄り添い続けている象徴的存在。 日本ではいまなお音楽文化を牽引し続けるタワーレコードの重要な歴史を収めたドキュメンタリー映画『All Things Must Pass: The Rise and Fall of Tower Records』が制作されている。本作の撮影に際し、タワーレコードの創業者ラッセル・ソロモンが来日した。御年89、音楽業界を見続けてきたゴッドファーザーは、自らの成し遂げた功績と歴史をどのように振り返