生物の遺伝情報をピンポイントで書き変える、驚異のDNA操作技術「ゲノム編集」。その最新モデル「クリスパー(Crispr)」がいよいよ実際の治療に使われようとしている。 ●“Federal panel approves first use of CRISPR in humans” STAT, JUNE 21, 2016 各種の癌治療にクリスパーを応用するための臨床研究(事実上の治療措置)を、先日、米国立衛生研究所の「組み換えDNA諮問委員会(Recombinant DNA Advisory Committee:RAC)」が認可した。 今後、米FDA(食品医薬品局)による認可も必要となるが、まずは第一関門を突破したことで、実際に臨床研究が行われる公算が高まってきた。 ゲノム編集とは何か? ゲノム編集とは、私たち生物のDNAに書かれた「ゲノム(G、A、C、Tの4文字で記された長大な遺伝情報)」を