全国に大学は780ほどあります。それらの大学にはそれぞれ建学の理念があり、それぞれの教育理念を持っています。主観的な思いとは別に、客観的なレベルでも各大学の位置づけというのはなんとなくあります。 例えば、家庭環境が貧しくても学力が優秀な学生を選抜して教育を行う大学もあれば、豊かな生活環境の家庭の子女を選抜して教育を行う大学もあります。国公立大学はどちらかというと前者です。もちろん、現実はそんなに単純ではないですが、前者の大学は「階層移動」のための学校で、後者の学校は「階層の再生産」として機能していると言うこともできるでしょう。 ただし、進学率50%をこえた日本の大学は、もはやエリートを育成する教育機関と限定することはできません。日本の大学とは「勉強のできる人」か「上位階層の出身者」のどちらかが行く教育機関という位置づけからは、とっくに変化しています。 アメリカの社会学者であるマーチン・トロ