<史上最も嫌われる大統領候補同士の争いのなかでかすかな期待がもたれる第三極候補、「リバタリアン党」のゲーリー・ジョンソンが、ニュース番組で「アレッポって何?」と発言。放送後に釈明コメントを出したが、驚くべき無知ぶりを晒してしまった>(画像はMSNBCのニュース番組に出演したジョンソン) 「アレッポって何?」 アメリカ大統領選に「リバタリアン党」から立候補しているゲーリー・ジョンソン元ニューメキシコ州知事は、今週ニュース専門チャンネルMSNBCのニュース番組「モーニング・ジョー」の中で、そう発言してアメリカを仰天させた。 司会者がジョンソンに対して、大統領に当選したらシリア内戦の激戦都市アレッポで続く人道危機にどう対処するか質問したときのことだ。 【参考記事】<解説>トルコのシリア越境攻撃――クルドをめぐる米国との確執 アレッポでは今週、アサド政権軍が塩素ガス弾を投下して住民約100人が呼吸
<ドゥテルテの暴言でキャンセルされたアメリカとの首脳会談ばかりか、オバマとASEAN首脳との会議も欠席。中国とフィリピンが領有権を争う南シナ海という大きな課題は放置されたままになった> ご存じ、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領。6月の就任時から麻薬犯罪の一掃を掲げ、裁判もなく多数の容疑者の殺害を容認したとして国際社会から厳しい批判を浴びてきたが、今週ラオスの首都ビエンチャンで開催されたASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議での外交デビューも不運なものだった。 バラク・オバマ米大統領に人権侵害を指摘されたドゥテルテは、「くそ野郎」と外交上あり得ない言葉でオバマを侮辱、6日に予定されていた首脳会談はキャンセルされてしまった。 爆弾テロによる片頭痛? それだけではない。8日に行われた米・ASEAN首脳会議も欠席した。中国と対立している南シナ海の領有権問題を直接オバマと話し合える最後の機会
<トルコはアメリカが支援するシリアのクルド人武装勢力を敵対視しているが、それでも今回、トルコ軍が地上侵攻しISISの拠点を制圧してくれたことは、アメリカにとってもこの地域にとっても願ってもない収穫だ> (写真は、かつてISISの支配下にあったトルコとシリアの国境地帯) アメリカの同盟国の軍隊がISIS(自称イスラム国、別名ISIL)掃討のため、ついにシリア領内に侵攻した。トルコ軍主導の地上部隊は24日早朝、ISISが2年半支配していたシリア北部のジャラブルスに侵攻、ほとんど反撃を受けずに制圧した。地上作戦の決行で、ISIS掃討戦はアメリカに有利な形勢になるとみられる。 トルコがISIS掃討のためシリアに越境攻撃をかけたのは初めてだ。トルコ軍の戦車部隊と特殊部隊の支援を受けたシリアの反政府武装組織が国境地帯に残ったISISの最後の拠点ジャラブラスへ向けて大規模な軍事作戦を決行。米軍主導の有
<先週末のクーデター未遂で、インジルリク空軍基地が舞台になったのを目の当たりにした専門家は皆、不安に駆られただろう。そこには、アメリカの核爆弾が何十発も備蓄されているからだ。直ちに撤去して、ヨーロッパのどこかに持って行くべきだ> (写真は、ISIS空爆の拠点でもあるトルコのインジルリク空軍基地) トルコで先週末に起きたクーデター未遂事件。その最も象徴的な光景といえば、爆音と共に首都アンカラを超低空飛行したF-16戦闘機をとらえた動画だろう。クーデターに参加した一部のトルコ軍兵士が操縦し、最後は国会議事堂に爆弾を投下したとされる。レジェップ・ タイップ・エルドアン大統領の飛行機を撃ち落とす計画だった、という噂もある。 重要なのは、彼らがF-16を飛ばし続けられたことだ。インジルリク空軍基地から飛び立った空中給油機から給油を受けたのでなければ不可能なことだ。 トルコ当局は、インジルリク上空の空
1月15日、米国の外交専門誌「Foreign policy」は、ランド研究所が実施した尖閣諸島を巡る日中衝突のシミュレーション結果を公表した。その結果は「日本は5日で敗北」という衝撃的な結末だった。 冷戦時、筆者は現役自衛官だったが、「日本は極東ソ連軍に1週間で完敗する」とか、「航空自衛隊は開戦後15分で消滅する」とかよく言われたせいかデジャブ感を覚えた。 シミュレーションの詳細が不明なため(「Foreign Policy」はシナリオと結果のみ報道)、この評価は難しい。 「5日」の正否はともかく、日中が直接ガチンコ勝負になれば、結果は同じようになるかもしれない。さりとて、複雑な要因が入り乱れる国際社会の中で、こんなに単純にはいかないというのが率直な感想だ。 それより、ランド研究所は今、なぜこういう衝撃的な結果を発表したのだろう。筆者はその思惑の方に興味をそそられる。 次々発表される「コミッ
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