中国の習近平国家主席は、自身が率いる中国共産党を浄化することと自国を改革することに飽き足らず、アジアの経済的、政治的秩序も作り直したいと思っている。 中国の指導者たちが共有する、簡潔だが、どこか不可解な表現を生み出す天賦の才能によって、習氏の大陸構想は「一帯一路」という公式用語に要約されている。 習氏の説明によれば――直近では、先月、ダボスのスキー場を真似た中国の熱帯ビーチ版「ボアオ・フォーラム」で説明した――、この一帯一路構想は「地域的、世界的な協調を求める我々の時代の要求に応える」ものだ。 誰もが納得しているわけではない。これをただの空虚なスローガンと見る人もいれば、アジアの支配的大国として米国に取って代わろうとする見え透いた策略と見る人もいる。 どちらの批判も的外れのように思える。習氏はこの構想に真剣に取り組んでいる。そして、これは「策略」というより公のマニフェストだ。 「一帯一路」
(英エコノミスト誌 2014年10月4日号) 資源価格の下落は世界経済が減速していることを示している。 コモディティー(商品)市場の功績を称えよう。同市場は決して退屈ではない。2000年から2011年にかけて、コモディティー価格の様々な指標は3倍に跳ね上がり、世界経済の成長を易々と上回り、マルサス主義者のヒステリーを煽った。 裕福な投資家のジェレミー・グランサム氏は当時、人類を破滅させるのは「ピークオイル」ではなく、むしろ「ピークに達したその他すべてのもの」だと指摘した。 だが、その後コモディティー価格は約25%下落し、6月以降だけで約11%下落している。だが、これは純粋に有益なことではない。 悲喜こもごもの相場反転 この運命の逆転は、当然ながら、資源の純輸出国よりも純輸入国にとってはるかに朗報だ。消費者にとっては、天然ガスやコメの価格下落は減税のようなものだ。家計により多くの可処分所得を
(英エコノミスト誌 2014年7月26日号) 「ジョコウィ」の勝利は画期的な出来事だ。これからは和解と決断力のあるリーダーシップを両立させなければならない。 悪いニュース(その多くはイスラム世界に関するもの)でいっぱいの年に、イスラム教徒が多数派を占める世界最大の国がこれまでで最も励みになる政治ニュースを生み出したとすれば、驚きかもしれない。 だが、ジョコウィとして広く知られるジョコ・ウィドド氏がインドネシアの大統領選に勝利したという7月22日の発表はまさにそれだ。 何よりもジョコウィの勝利は、いくぶん混乱したものではあるが、民主主義にとっての勝利だ。16年前にスハルトの独裁政権下にあった国で、今回の選挙は、民選で選ばれた1人の指導者スシロ・バンバン・ユドヨノ氏がやはり民選の別の指導者に道を譲る初めてのケースとなった。 アジアにおける民主的な移行は必ずしもスムーズにいくとは限らない。199
(英エコノミスト誌 2014年7月26日号) 中国における投資の鈍化と消費の底堅さが、アジアの経済秩序を変えつつある。 かつては一面が森に覆われていたインドネシアのスマトラ島では今、島の中央部に近い場所に深い溝が刻まれ、地面の直下に眠る富が露わになっている。大型の黄色い掘削機械が石炭を掘り出し、60トンの大型トラックに積み込むと、トラックはうなりを上げ、パダン市パウ郡にあるこの露天掘り炭鉱の地上部分へと運び上げていく。 燃料に対する中国の強い需要に推され、5年間にわたり絶え間なしにトラックが行き来したため、石炭を運ぶ舗装されていない道には車輪の跡が深く刻み込まれている。 しかし、最近は正午になるとトラックが動かなくなる。中国の石炭需要が頭打ちになり、石炭価格が下落したからだ。この炭鉱を運営するマインメックスは、従業員の昼休みを延長したが、その分は無給となる。「我々には選択肢はない。耐えるし
世界第3位の規模を誇る民主主義国が4月9日、国会・地方議会選挙を実施した。2万ほどの議席を巡って争う23万5000人以上の候補者のために、およそ1億9000万の有権者に国内54万5000カ所の投票所に足を運ぶよう促すため、この日は公休日に指定された。 今回の大規模な選挙の公式集計の結果は5月上旬まで判明しない。だが、これまでの経験に基づくと、投票日午後に公表された出口調査の結果は、かなり正確な結果を示しているはずだ。 概ね予想通りの展開となったが、大きな番狂わせは、最大野党・インドネシア闘争民主党(PDI-P)が比較的お粗末な結果に終わったことだ。 予想されたほど伸びなかった得票率、大統領選への影響は不可避 同党は、最近になって党の大統領候補に擁立された現ジャカルタ知事のジョコ・ウィドド氏(通称ジョコウィ)の人気を受けて、大きく躍進すると見られていた。党幹部らは一般投票の25~30%を獲得
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く