イタリアでストライキが多いのは、今に始まったことではない。今月だけを見ても、航空ストが5日ぐらいは計画されている。遅延で有名なイタリア鉄道は、ストの多いことでも有名だ。 その伝統にもれず、オペラ座でも、団員の労組や、他の従業員の労組が、予算切り詰めに反対し、あるいは、待遇改善を求めて、ストを繰り返した。 ローマのオペラ座は、すでに3000万ユーロの借金があるそうだ。ヨーロッパのオペラの上演は、どこも昔は王侯貴族がパトロンとなって、お金を湯水のように注ぎ込んで成立させてきた。 その伝統を受け継ぎ、オペラを常設として持つ現代ヨーロッパの自治体も、補助金なしで経営を黒字にすることは、もちろんできない。オペラは上演すればするほど、赤字になるものだ。 恒常的な借金を抱えているという点では、ドイツも事情は同じだ。2011年、ケルンのオペラ座が100万ユーロの赤字を出して危ないと言われた。しかし、ローマ