トランプの就任演説は、若き日のルカシェンコのそれと似た面があった。ルカシェンコは1994年大統領選で、特権層を押さえ付けて庶民の真の体現者となるということを約束し、庶民の共感を勝ち取ったが、トランプもまた権力をワシントンから庶民の手に取り戻すのだと述べた。 ちなみに、ルカシェンコは9月の時点でトランプの勝利を予想し、その際に「アメリカ社会はまだ、女性を大統領に選出するところまでは至っていない」と余計なことを述べた。ルカシェンコは、ポピュリストの本能で、米社会はポピュリズムへの大きな需要があるということを見抜いたのだろう。ルカシェンコはトランプに同類としてのものを感じ取り、彼とならばベラルーシと米国の関係改善を期待できると考えたのかもしれない。かつてウーゴ・チャヴェスと意気投合したのと同じである。 しかし、米国のような民主国家は政策決定過程が透明なので、トランプに対ベラルーシ制裁解除などを個