4月11日、振り込め詐欺に関わったとされる台湾人がケニアで拘束され、中国に「送致」されたという「事件」があった。つまり、台湾人の犯罪者が「中国」に強制連行させられた。海外にいた韓国人が北朝鮮に送られたみたいな話である。 いやいや、そうでもないのかもしれない。なぜ台湾人の犯罪者が中国の法に従うのかというと、台湾人はつまり中国人だからだ、という理由らしい。これを拡張すると、とんでもないことになるなあと多くの人が思ったことだろう。 朝日新聞の13日の報道「台湾人45人を中国に送致 ケニアの対応に台湾が反発」(参照)が一見するとわかりやすい。 ケニアが振り込め詐欺にかかわったと見られる台湾人45人を中国に送致し、台湾で猛反発が起きて いる。中国が台湾を自国の一部とする「一つの中国」原則を押しつけたとの受け止めが出ているためだ。 一方、中国人が詐欺の標的になったことから、中国側は司法管轄権を主張して