広島市内で9月30日に開かれる前川喜平・前文部科学事務次官の教育講演会の後援依頼を、広島県・市の教育委員会が断っていたことが4日、わかった。両教委は「中立性」を理由に挙げている。 講演会は、同県廿日市(はつかいち)市のNPO法人が主催。フリースクールを運営するNPO法人の代表や弁護士が、不登校や道徳教育、憲法の問題について前川氏と対談する内容という。 主催者によると、広島県・市、廿日市市の3教委に5月下旬、後援を申請したところ、3日までに県と広島市の教委から不承諾の通知があった。県教委は朝日新聞の取材に「企画趣旨に問題はないが、政権批判を繰り返してきた前川氏が前面に出ており、中立ではない」。広島市教委は「前川氏の講演会の後援は各自治体で判断が分かれている。後援すると一方の意見を支持したと市民に捉えられかねない」と説明している。 一方、廿日市市教委は「規定に照らして問題ない」と判断し、承認し