2020年7月30日、台湾の李登輝前総統が台北栄民総合病院で息を引き取り、98年間の数奇な人生に幕を下ろした。同年9月19日、李登輝の国葬礼拝が真理大学(新北市)の礼拝堂で執り行われ、台湾内外から著名人の弔問客が参列し、アジアの「ミスター・デモクラシー」の死を共に悼んだ。 李登輝の国葬が執り行われた真理大学は台湾基督長老教会(以下、長老教会)に属する高等教育機関であり、彼は同教派の台北市の済南教会(元・日本基督教会幸町教会)に信徒籍を置いていた。そのため、長老教会の責任者たちが奔走し、また李登輝の家族の同意を得たことで、総統府は台北市内のいくつかの国葬予定場所を諦め、長老教会関係の真理大学で国葬を行うことを決定し、しかも長老教会の規則に従って礼拝式を執り行うことを尊重した。 李登輝が洗礼を受けているキリスト者であること以外に、彼が本省人であり、学者出身であり、日本植民地時代を経験しており、