成田空港で2010年、強制送還中のガーナ人男性が急死したのは、東京入国管理局職員の過剰な制圧行為が原因だとして、遺族が約1億3千万円の損害賠償を国に求めた訴訟の控訴審判決が18日、東京高裁であった。滝沢泉裁判長は「男性の死因は心臓疾患によるもので、制圧行為との因果関係はなかった」として、国の責任を認めた一審・東京地裁を取り消し、遺族の請求を棄却した。 死亡したのは、アブバカル・アウドゥ・スラジュさん(当時45)。法務省の調査では、送還に携わった入管職員らが、内規で原則認められない結束バンドや、タオルの「猿ぐつわ」で拘束していたことが判明。ガーナ大使館が日本政府に抗議し、欧米でも「非人道的」などと批判された。 日本人の妻(54)らが11年に起こした訴訟で国側は、「死因は心臓の腫瘍(しゅよう)による致死性の不整脈。制圧行為と因果関係はない」と主張。だが、14年3月の東京地裁判決は、「入管職