【ソウル=名村隆寛】長崎県対馬市の観音寺から韓国人窃盗団が盗み出し、韓国に持ち込まれた「観世音菩薩坐像」を、元の所有権を主張する韓国中部・瑞山(ソサン)の浮石(プソク)寺に引き渡すよう命じた大田(テジョン)地裁の判決について、27日付の韓国紙は、日韓関係のさらなる悪化や、韓国の専門家の否定的な見方を伝えた。 朝鮮日報は、韓国の専門家の相当数が「たとえ略奪された文化財であろうが、適法な手続きで返還せねばならない」と指摘していることに言及。「具体的な略奪、搬出の経緯が証明されずに(日本からの)盗品をを略奪文化財と認めたことで国際的な信用を失墜させるのはもちろん、今後日本などとの文化財交流に与える影響は小さくはない」とする西江大学教授の見方を紹介した。 同紙によると、国際法の専門家は匿名で「略奪された確証がなく、韓国人が盗んできたことが明らかな文化財を『韓国のものだ』と主張するのは国益にならない