【北京=西見由章】2010年に獄中でノーベル平和賞を受賞した中国の民主活動家、劉暁波氏が13日、多臓器不全のため、入院先の中国医科大付属第一病院(遼寧省瀋陽)で死去した。61歳だった。瀋陽市司法局が発表した。劉氏は08年12月に中国共産党一党独裁の廃止などを求めた「08憲章」を起草したため「国家政権転覆扇動罪」に問われ服役。今年6月に末期の肝臓がんと診断され、遼寧省錦州の刑務所から病院に移送され治療を受けていた。 劉氏と妻の劉霞氏(56)は国外での治療を希望し、ドイツと米国、フランスなどが劉氏らの受け入れ姿勢を示していたが、中国当局は病状悪化を理由に最後まで移送を拒んだ。中国の民主化運動を象徴する存在だった劉氏が服役中に突然不治の病を宣告され、当局の監視下に置かれたまま死去したことで、今年秋に5年に1度の中国共産党大会を控える習近平指導部が国内外の厳しい批判にさらされるのは必至だ。 劉暁波