ロシアによるウクライナ侵攻が起こるまで、なぜドイツはロシアへの警戒心を鈍らせていたのか。ドイツの東欧政策に詳しい政治学者で、スウェーデン国際問題研究所ストックホルム東欧研究センターのアナリスト、アンドレアス・ウムランド博士(55)に聞いた。【聞き手・ベルリン念佛明奈】 ――あなたは今年1月、公開書簡でドイツの対露政策の転換を求めました。 ◆ドイツは冷戦後30年以上にわたり、ある種の「ロシア・ファースト」(ロシア頼み第一主義)とも言える政策をとってきました。私たちは少なくとも15年前からその転換が必要だと言い続けてきました。