モスクワ市の「A.ソルジェニーツィン亡命ロシア人会館(Dom Russkogo Zarubej'ya Im. A. Soljenitsyna)」で、「ロシア人神学生のできごと」という不思議なテーマの企画展が開幕した。展示品は1900年代初めの「東京正教神学院」の神学生に関する資料。神学生の歩んだ人生は、波乱に満ちた推理小説の題材になってもおかしくない。 劇的な運命の交差 企画者によると、純粋な人間の願い、国民の悲劇、個人の利益、複数の特殊機関の利益などが、彼らの運命には劇的に絡み合っているという。神学者の名前のほとんどが専門家にも明らかになっていないが、神学生は20世紀初めの極東の重要なできごとの証人というだけでなく、積極的な関与者でもあった。残されている多くの秘密は、これから解明していかなければならないだろう。 日本とロシアの公文書館には、東京正教神学院のロシア人神学生に関する大量の資料