ウクライナ南部クリミア半島の独立宣言、ロシアへの併合の余波が思わぬところに――。イタリア警察当局は3日までに、同国北部の「水の都」ベネチアの独立を目指す武装闘争を計画したとして元国会議員ら24人を逮捕した。 AP通信などによると、容疑者らはブルドーザーを「戦車」に改造。観光名所のサンマルコ広場を制圧しようと企てたという。1997年にも、同様の騒ぎが起きている。 ベネチアが州都のベネト州では3月、クリミアでの住民投票に触発された政治団体が、州知事も支持したインターネットによる「住民投票」を実施。260万の投票があり、89%が独立を支持したと発表した。地元メディアの多くは、信頼性が低いとしている。 イタリア北部では、自治権拡大や移民反対を掲げる地域政党「北部同盟」が90年代に独立を模索。今も一定の支持を保つ。ベネチアは18世紀までの千年間、貿易で栄えた共和国だった。(キエフ=石田博士)