今ほど冷静かつ理性的な判断が求められる局面はない。トルコ軍戦闘機が自国領空を侵犯したとしてロシア軍機を撃墜した。 パイロット1人が死亡し、救難に駆け付けたロシア軍ヘリの兵士も銃撃を受け死亡したとの情報もある。極めて憂慮すべき事態だ。 国際社会全体が両国の緊張の高まりを望んでいない。このままでは取り返しのつかない事態になりかねない。 ロシアのプーチン大統領はトルコを「テロの共犯者」と呼び、「背中を刺された」と指摘、両国関係に「重大な結果」をもたらすと警告した。憤りは理解できるが、ここは冷静かつ理性的な判断をしてほしい。国際社会の結束が乱れれば、孤立していた「イスラム国」が喜ぶだけであろう。あくまで外交的に解決してもらいたい。両国に和解を促すべく国際社会も一致して協力すべきだ。 撃墜をめぐる情報は錯綜(さくそう)している。トルコによると、領空侵犯した「国籍不明機」2機に対し5分間で10回警告し