高血圧治療薬「ディオバン」を巡るデータ改ざん事件で、京都府立医大(京都市)の臨床研究のために患者約300人のデータを集めた協力病院の男性医師が、東京地検特捜部の事情聴取に対し、「ディオバンを服用していない患者の発症数を意図的に水増しした」と供述していることが、関係者の話でわかった。 薬効を大きく見せるために虚偽のデータを報告するという重大な不正を、臨床現場の医師が行っていたことになる。 同事件では、臨床研究に参加して論文のデータを改ざんしたとして、ディオバン販売元のノバルティスファーマ元社員・白橋伸雄被告(64)だけが薬事法(現・医薬品医療機器法)違反(誇大記述・広告)で起訴された。だが今月になって、同大の事務局担当医師(53)が患者データに架空の症状を加筆したことも明らかになり、論文の作成過程で、企業、大学、協力病院の3者がそれぞれ不正を行っていた疑いが出てきた。 同大の臨床研究は