シンガポールで2〜4日に開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)では、南・東シナ海における中国の強引な海洋進出のほか、北朝鮮の核・ミサイル開発などが議論された。出席した神戸大の簑原俊洋教授(日米関係史、安全保障論)は「ルールに基づく秩序の揺らぎに対する不安が蔓延(まんえん)していた」と述べ、米国とともにアジアの安全を守る日本の役割の強化に期待した。(聞き手 平田雄介) --基調講演はターンブル豪首相が行った 「近年『中国も友達』とバランスを取る場面が目立ったが、今回は『同盟関係が大事』と米国を優位に置いた上で、中国の拡張主義を看過しない姿勢を示し、議論の流れを決定づけた」 「秩序が揺らいでいることに懸念」 --出席者の反応は 「多くが、ルールに基づく秩序が揺らいでいることに懸念を表明し、中国は不快感をあらわにしていた。彼らの立場は『ルールは守るが、自分たちが作ったルールでなければなら