1919年、英国の帝国参謀本部の副総長を務めていたフィリップ・チェトウッド大将はこう警告した。 「他人の問題に干渉して、聞こえよく『和平』と呼ばれるものを結ぶ習慣は、異常性愛のようなものだ。ひとたびはまると、やめられない」――。 オバマ政権のメンバーがこんなぎょっとするような比喩を使うことは想像しにくい。しかし、米国が中東全土の混乱に対処するのに腐心している今、デビッド・レイノルズ氏の新刊『The Long Shadow(長い影)』で引用されたチェトウッド大将の不満は現代的な響きを持つ。 チェトウッド大将の上官で、1919年に「世界中で20から30の戦争が繰り広げられている」とこぼし、混沌とした国際情勢を「統治にあたるには全く不適当で、統治することのできない」政治指導者のせいにしたヘンリー・ウィルソン参謀総長の嘆きは、それ以上に大きく響く。 1世紀前の英国と現在の米国の類似性 英国は191
(2014年8月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 米国人自身が認めていることだが、ちょうど100年前の今月に始まった第1次大戦の回顧において、米国は当時の同盟国に後れを取っている。 その理由の一端は、米国から見れば開戦からまだ100年経っていないことにある。確かに、宣戦布告がなされたのは1914年8月のことだったが、ジョン・パーシング将軍率いる米国海外派遣軍(AEF)が戦闘に加わるのは――ジョージ・M・コーハンが当時作った歌の表現を借りれば「向こう側(over there)」に渡るのは――その3年後のことだった。 また、回顧の段取りもお粗末だ。米連邦議会は10年前に、カンザスシティーの博物館を米国公認の第1次大戦博物館に指定したが、ワシントンのパーシング公園を国立の戦没者記念公園に「再指定」する法案にかかわる作業はまだ完了していない。 とはいえ、第1次大戦に対する米国の関心が盛り上
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