2017年、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、正男氏の顔に毒入りの液体を塗ったとして殺人罪に問われたベトナム人、ドアン・ティ・フォン被告(30)の供述調書を朝日新聞はマレーシア司法関係者から独自に入手した。 計8時間の取り調べ内容が11ページにわたってつづられた調書は、事件の7週間前、ハノイのバーでの「ミスターY」との出会いから始まる。 「韓国のいたずら番組カメラマン」を名乗るミスターYは、フォン被告が芸能人になりたがっていることを知っており、滑らかなベトナム語で番組出演をもちかけた。 人に液体を塗るいたずらをするよう求められたフォン被告がテスト撮影で物おじするのをみて、ミスターYは「本番」を前に「撮影のために俳優を雇った」と説明。ためらいなく実行できるようにしたという。 しかし、「いたずら」の内実は暗殺だっ
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