ヒマラヤ山中にある「幸せの国」ブータン王国に今、中国の軍事圧力が高まっている。ブータン、中国、インドの国境が三つどもえに接する「ドクラム(中国名、洞朗)高地」で6月中旬、中国軍が道路の建設を始めたのが発端だ。 ドクラム高地は狭いが、チベット自治区からインド領シッキムへ出る要地にあり、中国とブータンがともに領有権を主張している。その係争地内で中国軍が一方的に軍用道路を建設した。南シナ海で各国が領有権を主張しているサンゴ礁を、中国軍が一方的に埋め立て、自国領土だとして飛行場を建設したのと一脈通じている。 この記事は有料記事です。 残り1142文字(全文1395文字)