ロシアが2022年2月24日に、ウクライナ各地で軍事侵攻に踏み切ってから、早くも半年以上が経ちました。ウクライナへの突然の砲撃から開戦したこの侵攻は、8月現在、ロシアとの国境にあるウクライナ東部のハリコフからマリウポリまで、そして現在は南部のヘルソン州まで激しい戦火の中にあります。 今年で原爆投下77年を迎え、唯一の戦争被爆国としての日本で暮らす私たちは、さまざまな場面で戦争の恐ろしさや愚かさを学んできました。とはいえ、現在流れるロシアとウクライナの戦況を伝えるニュースにどれほどの理解があり、そしてこの状況を子どもに正しく伝えることができているでしょうか? 「子どもに戦争の愚かさや恐ろしさを伝えるだけで、自分にはかかわりのないことという教育では終われないと思います」 こう語るのは、安全保障研究者であり、現在は東京大学先端科学技術研究センター・専任講師の小泉悠先生。小泉先生は、著書『「帝国」
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トランプ大統領の登場は、アメリカの思想を激変させた。自由と民主主義を至上のものとしてきた「アメリカの常識」が、いま揺らぎつつある。「リバタリアン」が民主主義を否定する根拠はどこにあるのか? ※本稿は、岡本裕一朗著『アメリカ現代思想の教室』(PHP新書)を一部抜粋・編集したものです。 リバタリアンの起業家ピーター・ティール インターネットを利用した決済サービス「PayPal(ペイパル)」の創業者、ピーター・ティール(1967―)。「シリコン・ヴァレーの頂点に君臨する」と言われ、テスラ社のイーロン・マスクとも親交が深く、フェイスブックを最初期から支えた投資家である。 彼は、スタンフォード大学で哲学を専攻し、その行動には思想的な裏づけがあった。大学でも講義し、その内容は『ゼロ・トゥ・ワン』として出版され、日本でもよく知られた超大物投資家である。 その彼が、政治的にとりわけ注目されるようになったの
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