合成化学農薬(以下、農薬)を使った農業は、特に第二次世界大戦後以降、世界中で拡大しました。農薬を使用すれば少しでも「手間のかからない農業」が可能になるとして、急速に広まったのです。 しかし、その広範囲にわたる使用によって、虫や鳥、さらには微生物叢にも大きな変化が現れ始めました。生物多様性が激減し、植物の受粉に欠かせないミツバチも急速に減って農業生産にも懸念が広がるなど、世界の生態系に重大な影響が出ています。そして近年では、子どもの発達や大人を含む慢性疾患の急増など、人間の健康にも影響が出始めていると考えられています。 このような事態を受けて、有機農業・アグロエコロジーはアジア、アフリカ、ラテンアメリカで急速に広まり、その担い手はこの20年間で15倍以上に増えています。また、国連などの国際組織も2013年に農薬に頼らないアグロエコロジーの推進を決めました。さらに米国ではグリーン・ニューディー
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