東京大の研究チームは20日、1リットルに換算するとわずか2グラムという、世界でもっとも軽い液体を発見したと発表した。 研究成果は米物理学会誌「フィジカル・レビュー・レターズ」に掲載された。ヘリウムの一種である「ヘリウム3」が特殊な条件下で液体になったもので、これまで世界でもっとも軽いと考えられてきた液体水素の30分の1の軽さだという。 気体状の物質は一般的に、温度を下げると液体になり、さらに下げると氷のような固体へと変化する。しかし、通常のヘリウムよりも軽いヘリウム3はこれまで、原子1個分の厚みしかない平面状の層の中に閉じこめると絶対零度(氷点下約273度)まで冷やしても気体のままだと考えられてきた。今回、研究チームが実際に、平面に閉じこめて温度を下げたところ、絶対零度近くで、密度が非常に低く、軽い液体に変わったのを確認したという。