先の大戦末期、本土決戦を想定して比叡山(848メートル)の山頂付近に、極秘裏に建設された特攻兵器「桜花」発射基地の様子を克明に伝える写真やスケッチが、大津市内の古書店で見つかった。旧制京都三中の生徒が戦後に撮影したとみられる。戦後間もなく米軍に壊され、公的な資料も存在しない「幻の基地」。専門家は「不明な点が多い基地の全容が分かる極めて貴重な資料。本土決戦に向けた緊迫感も伝わってくる」と高く評価している。大津市の古書店で発見 写真は、京都三中(現京都府立山城高校)の生徒が比叡山に登って撮影したとみられ、アルバムに10枚収められていた。写真のそばに「昭和21年9月1日」と記され、この日に撮影したとみられる。大津市内の古書店で県内在住の郷土史家が見つけた。 幻の桜花発射基地は、戦況悪化で本土決戦が叫ばれる中、大阪湾に襲来する敵艦を特攻専用機の桜花で迎撃するため、20年5月に海軍が建設を始めたと