世界を見てみよう。米国では、2003年、原発の制御システムがウイルスに感染して安全管理システムが停止した。ブラジルでは11年、発電所の制御システムがウイルスに感染して運用停止に追い込まれた。そのほか、イランの核施設では、外部からのシステム不正操作で1000台の重要機器が破壊されたともいう。 国内でも、国会(議員)や各役所などが使用するコンピューターへの攻撃、最近発生したコンピューターの遠隔操作事案、ネットバンキング不正送金事案など、サイバー戦争の様相を呈してきた。今後、いかなる視点が必要か。本日はこの点について視界良好としたい。その読み解き鍵は「社会秩序破壊罪を新設し重罰を用意する」である。 重罰というと、それで犯罪を防止できるのかとの質問があろう。そこで、まず、「犯罪」と「刑の軽重」との関係について論じたい。 死刑廃止論者は、死刑という重罰が用意されていても、それには殺人を止めるだけの抑