沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像流出事件で、警視庁捜査1課は12日、関与を認めた第5管区海上保安本部(神戸市)の神戸海上保安部に所属する海上保安官(43)から、当面は任意で事情聴取を継続する方針を決めた。3日間にわたって国家公務員法(守秘義務)違反容疑で取り調べたが、容疑の裏付けが不十分と判断した。週明けにも逮捕の可否を判断するとみられるが、捜査は長期化の様相も見せ始めている。【山本太一、三木幸治、山本将克】 ■捜査 保安官が上司に投稿を打ち明けたのは10日朝。海上保安庁からの告発を受け捜査を始めてからまだ2日で、捜査当局にとっては想定外の「自首」だった。 捜査1課は動画投稿サイト「ユーチューブ」への発信元とみられる神戸市内の漫画喫茶を調べるために現地に派遣した捜査員を急きょ、保安官の取り調べに充てた。逮捕を見据えて、捜査は慌ただしく動き出した。 「自分が流出させた」。保安官