アリは、アカシアの樹液に含まれる酵素によって糖分依存状態に陥る。 Photograph by Alexander L.Wild 互いに利益を得ながら進化してきたアカシアとアリだが、その相利共生の関係(共進化)には、一方を依存状態に追い込む巧妙な戦略が潜んでいたことがわかった。 中央アメリカでは、アリがアカシアのボディガードの役割を担っている。はびこる雑草を防ぎ樹液を狙う動物から守るアリは、代わりに住処とエサを得る。自然界の代表的な共生関係の1つだ。 しかし、メキシコのシンベスタブ・ウニダード・イラプアト(Cinvestav Unidad Irapuato)研究所のマーティン・ヘイル(Martin Heil)氏は、アカシアの樹液が含む酵素によって、アリがほかの糖源を摂取できないように仕向けられている状況に気付いた。 住処と食事を得るアリは、死ぬまで労働を強制されるのである。「受け身で移動でき
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