『クィーン』(06年)でエリザベス女王を演じたヘレン・ミレン、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(11年)でサッチャー元英首相を演じたメリル・ストリープ。共に歴史上の人物を圧倒的な存在感で演じ、アカデミー賞をはじめその年の主演女優賞を総ナメにした。だが今年、『ダイアナ』でダイアナ元英皇太子妃を演じたナオミ・ワッツの場合は残念ながら、これに当てはまらないようだ。 この伝記映画が今月初め、ロンドンでプレミア上映されると(日本公開は10月18日)、すぐに地元メディアから手厳しい批評が続出した。 ガーディアン紙は「『カークラッシュ映画』という言葉は使いたくないが、悲しいかな、そう評するよりほかにない。97年に悲惨な交通事故で亡くなったダイアナ妃が、16年たっていま一度むごい死に方をしたようだ」と嘆いた。さらに主演のワッツについては「人形劇の操り人形のように血が通っていなかった」と、こき下ろし
