海外で開発された機密性の高い無料通信アプリが暴力団関係者や特殊詐欺グループなどによって犯罪に関する連絡手段として悪用されていることが21日、捜査関係者らへの取材で分かった。暗号化技術を使うことで通信内容を保護し、消去後の復元が困難な点に目をつけているとされ、警視庁が摘発したグループで使われていたことも確認された。警察当局は犯罪ツールとしての悪用の拡大に警戒を強めている。 「仲間内でのやり取りはもっぱらこれを使っている」。ある指定暴力団幹部は、そう言ってスマートフォンの画面を指し示した。表示されていたのは「Telegram(テレグラム)」上でやり取りされたメッセージ。アプリのメッセージ機能を使って、別の指定暴力団の組員と仮想通貨の売買をめぐる情報交換が続けられていた。 この幹部によると、暴力団関係者らの間で、振り込め詐欺の手順の指示や違法薬物の売買などのやり取りにも使われているという。運営会