(聞き手・構成:坂元 希美) 8月に入ると多くの地域でお盆を迎える。先祖の霊があの世から帰ってくるという時期に故郷へ帰り、家族・親族と墓参りをして故人に思いを馳せながら、生きている者同士で旧交を温める人も多いだろう。また、この頃に彼岸へ行った人たちのことも思い出されるかもしれない。太平洋戦争で戦死した人たちだ。彼らはこの季節、どこに帰ってくるのだろうか。 「戦死」の定義は軍人が戦争や戦闘で死亡することであり、命を賭けることが織り込まれた職業で想定されている死だ。その職業は今もこの国に存在している。自衛官だ。 現在、彼らは戦争や戦闘に参加してはいないし、させないようにしているのだから「戦死」は想定外とされている。しかし、考えられなかった、ありえないことだった・・・つまり、「無いはずのこと」にしたままでよいのだろうか。「繰り返してはならぬ」とした過去の戦死についても、私たちは自分ごととして向き