このところ、リアルもネットも震災と原発をめぐる問題が多くの人の関心を占めていて、中国への関心は二の次だったというのが正直なところだろう。だが、この数ヶ月の間に、中国の社会では非常に重大で根本的な動きがいくつも生じているし、個人的にそれらの現象と日本の3.11以降の状況とは、どこかで深くつながっているような気がしてならない。 その「つながり」を考える際の一つのキーワードになるのが、「リスク社会」ではないだろうか。いうまでもなく、「リスク社会(危険社会)」とは、ドイツの社会学社ウルリヒ・ベックによって提唱された、「産業社会」に対比される、後期近代における社会のあり方を象徴する概念である。前近代社会並びに産業社会においては、人間の生活に訪れる脅威・恐怖は災害や感染症といった自然に起因するものであり、前近代においてはそれを宗教や伝統的な慣習によって、産業社会においては科学やテクノロジーによって「克
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