若年者失業率が高いのが昨今の先進国での共通した問題だ。これに対して解雇規制の緩和が雇用流動化を高め、モラルハザードを防止し、労働生産性を向上させ、最終的には雇用水準を向上させると言う主張がある(雇用問題についてのまとめ、給料泥棒と解雇規制ならびに日本的雇用慣行について)。もっともらしいが曖昧だ。どのあたりが曖昧かをまとめてみた。 1. 解雇と雇用流動性 解雇規制を緩和すると、雇用主は業務に合わない従業員を解雇する事が容易になり、雇用主は他の従業員を雇い、解雇された従業員は他の職場に転職しやすくなるそうだ。つまり、解雇規制緩和で雇用マッチングが円滑になって労働生産性があがると考えられている。しかし、良く考えると奇妙だ。向いていない職場では有形・無形の待遇が悪くなるものだ。実際にはどの職場でも辞めていく人は多数いるわけで、それ以上に雇用が流動化するのかは疑わしい。 2. 解雇とモラルハザード