【ソウル=中川孝之、前田泰広】金正日(キムジョンイル)総書記の死去発表後の北朝鮮内部の様子が20日、ソウルの脱北者らに伝えられた情報で明らかになってきた。 厳冬の中、食糧難にあえぐ住民の様子について、「心底悲しんだ金日成(キムイルソン)主席逝去時と異なる雰囲気だ」との指摘が出ている。金日成主席よりカリスマ性において劣る金総書記と比べても、実績や住民への浸透度が乏しい金正恩(キムジョンウン)氏の新体制は今後、人心掌握で多くの困難に直面すると予想される。 韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」の朴相学(パクサンハク)代表は本紙の取材に、北部・両江道の住民と19日、電話で話したと明らかにした。この住民は「19日は朝10時頃から、総書記死去のうわさが広まっていた。公開処刑や餓死は金総書記の時代になってひどくなった。正直言って、やっと死んでくれたと思う。国営テレビで悲しむ住民らが映っているが、あれは大