学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題や「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設問題の追及が続く今国会。このうち、先に浮上した森友問題の審議で、政府が事実関係の確認を拒んだり事実と異なる説明をしたりしたため、少なくとも12時間が空費されたことが朝日新聞の調べでわかった。 12時間は国会審議の2日分に相当する。政府は「何十時間、こればかり質問している」(安倍晋三首相)と言って野党の姿勢を批判していたが、むしろ野党の指摘や追及に正面から向き合わない政府の姿勢が論戦を空疎にしている実態が浮き彫りになった。 朝日新聞は衆参両院の本会議のほか、財務省との関連が深い予算、決算など衆参6委員会の審議を対象に、問題が報道された2月9日から、5月31日までの審議内容を調べ、質疑と答弁の時間を集計した。 野党が個別の事実関係を示して質問しても、政府が「確認しない」「記憶・記録にない」といって明示