ブックマーク / econ101.jp (6)

  • ジョセフ・ヒース「反自由主義的リベラリズム」(2024年7月30日)

    近年の政治環境で最も奇妙な点の1つは、はっきりとリベラルの伝統に基づいた価値観を奉じながら、そうした価値観を促進するために、明らかに反自由主義的と言いたくなるような戦略をとる人が非常に多いことだ。ソーシャル・メディアからファシストを追放したがっている「反自由主義的な進歩派の若者(YIP:young, illiberal progressives)」が、現代の共和党員のほとんどを「文字通りの意味でのファシスト」と見なしているという話は今やおなじみである。 こうした若い活動家が、自身の表明している価値観と自身のとる政治手法との間にある明白な矛盾に無頓着なことに、関わった人なら誰でも気づくだろう。傷つけられやすい多様なマイノリティを守るという大義を掲げながら、自分たちに同意しない人をキャンセルしたり罰そうとしたりするイジメのような戦術を用いることには驚くほど躊躇がない。戦術的なレベルに絞って考え

    ジョセフ・ヒース「反自由主義的リベラリズム」(2024年7月30日)
    Gl17
    Gl17 2024/09/19
    既出だがエマニュエル・トッド的な倒錯。現実でプーチントランプイーロンetcがどしどし権威主義的な「強者の自由を奪うな」で民衆を押しつぶす世情にそれか。社会の自由には調整が不可欠、リバタリアンは自由の敵だ。
  • ジョセフ・ヒース「キャンセル・カルチャーはシンプルに説明できる」(2023年12月3日)

    今や誰もがキャンセル・カルチャーについて論じるのに飽き飽きしている。そろそろ私たち研究者が議論に参加してもいい頃だろう。最近、イブ・ンの“Cancel Culture: A Critical Analysis”『キャンセル・カルチャー:批判的分析』を興味深く読んだ。このはキャンセル・カルチャーにそれほど批判的というわけでもなかったが、この現象の歴史を提示している点で有益だった。ただ残念なことに、このは事例を豊富に載せているだけで、キャンセル・カルチャー現象の明確な定義や説明は提示していない。そこでエントリではこの空白を埋めるために、根底にある社会的ダイナミクスの分析に基づいて、キャンセル・カルチャーのシンプルな理論を提示したい。 議論を始める上でまず明確にしておくべきは、キャンセル・カルチャーの起源が政治的なものでも文化的なものでもないということだ。キャンセル・カルチャーは、ソーシャ

    ジョセフ・ヒース「キャンセル・カルチャーはシンプルに説明できる」(2023年12月3日)
    Gl17
    Gl17 2023/12/08
    「キャンカルガー」と叫ぶ人らの行動原理は、数を頼んで対立派の抗議の声を消し去ることで、本義的な意味では彼等こそ最も呼称通りのキャンカル実践派だろう。彼等に叩かれる側は大抵、普通に抗議しているだけだ。
  • アダム・トゥーズ「北京が直面するコロナ対策の悲劇的なジレンマ」(2022年12月2日)

    独裁者が恥をかいたという知らせは一般的には喜ばれるが、それが国家の悲劇や真にグローバルな問題をも招くとしたらどうだろうか。 10月に習近平が彼個人による中国の体制の完全支配を宣言したことは、中国歴史にとって不吉な転換となり、世界中の自由の友たちの間に悲哀をもたらすことになった。2020年以降、習近平の個人的権威を主に支えているのは、「人民至上、生命至上(人民とその生命を何よりも優先する)」を掲げる「コロナウイルスの蔓延を阻止するための全面的な人民戦争」、すなわちゼロコロナ(中:清零、英:Zero Covid)である。 習近平政権の最も誇らしい自慢は、米国が100万人以上の新型コロナウイルスによる死者を記録したのに対し、中国はわずか5000人余りであるという事実である。2020年5月15日から2022年2月15日まで、世界中で毎日何千人もの人々がコロナで亡くなっている中、中国土での死者は

    アダム・トゥーズ「北京が直面するコロナ対策の悲劇的なジレンマ」(2022年12月2日)
    Gl17
    Gl17 2022/12/07
    単純にウィズコロナを主張しシャーデンフロイデに陥ることの愚。ただ研究によれば感染予防で当初優位だったmRNAワクチンだが、重症化予防では中国旧来ワクチンも大差ないという見解もあるので果たしてどうなるのか。
  • ポール・クルーグマン「苦しむ日本がとるべき道筋」

    Paul Krugman “The Right Course for a Troubled Japan,” Krugman & Co., November 26, 2014. [“Structural Deformity,” The Conscience of a Liberal, November 20, 2014.] 苦しむ日がとるべき道筋 by ポール・クルーグマン Stephen Crowley/The New York Times Syndicate 日の安倍晋三首相が消費税増税の延期を模索してるのは,正しい.延期はいい経済政策だし,ぼくにとってはかなり新鮮な経験でもある――国のリーダーと会って,正しい政策の主張をして,その相手がまさにそのとおりにやってるんだもの.(もちろん,同じ主張をしてた人はぼく以外にたくさんいる.) ただ,懐疑の声もたくさんある.全面的に正当な疑いだ:

    ポール・クルーグマン「苦しむ日本がとるべき道筋」
    Gl17
    Gl17 2014/11/30
    てか構造改革論者ってむしろアベノミクス支持する経済界言説に目立つ気が。そして派遣法改悪とかソッチ方面をアベノミクス本丸と言って逆再配分へ勤しむ、消費増税自体も安倍総理自身が強行してんだしさ。
  • ポール・クルーグマン「根深い政治分裂がオバマの業績を見えにくくしてる」

    Paul Krugman, “Deep Divisions Cloud Obama’s Legacy,” Krugman & Co., June 20, 2014. [“The Pundits and the President,” June 10, 2014; “We Will Be Welcomed As Liberators,” June 14, 2014.] 根深い政治分裂がオバマの業績を見えにくくしてる by ポール・クルーグマン Stephen Crowley/The New York Times Syndicate 中道派のオバマ叩きの季節がやってきたみたい.「大統領は無力だ」なんて話をきかされる.「大統領は党の足を引っ張ってる」と民主党員が不満をこぼしてるぞ,なんてメディアで伝えられたりしてる(けど,オフレコ発言ばかりだ). どんな客観的な基準で見ても,これはなんとも変な話

    ポール・クルーグマン「根深い政治分裂がオバマの業績を見えにくくしてる」
    Gl17
    Gl17 2014/06/21
    『でも,それも,イラク侵攻は見事にあっさり片付くよと請け合ってた連中にはまるで及ばないね――「誰も彼もバグダッドに行きたがる,本物の男ならテヘランに赴く」って発言を覚えてるかな?』
  • ポール・クルーグマン「あわれな億万長者どの,尊大な思想とやらに犠牲者気分」

    Paul Krugman, “Poor Billionaires, Victimized by Highfalutin Ideas,” Krugman & Co., March 28, 2014. [“High Fallutin’ Nazis,” The Conscience of a Liberal, March 18, 2014] あわれな億万長者,尊大な思想とやらに犠牲者気分 by ポール・クルーグマン MEDI/The New York Times Syndicate さあ,また一人ご登場ですぞ.格差について語るヤツはどいつもこいつもナチだと思ってる億万長者どのがまた現れた.今回は,ホーム・デポの共同創業者ケン・ランゴンだ.これについて,ぼくはとくに有用なことは言えない.言えることは,こういう連中はいっぱいいるにちがいないって所見くらいだ. つまりね,億万長者なんてそんなに大勢いな

    ポール・クルーグマン「あわれな億万長者どの,尊大な思想とやらに犠牲者気分」
    Gl17
    Gl17 2014/03/30
    日本だとこういう思想が、特段に極度の勝ち組てえ範疇でもない層(時には逆っぽい側)から頻繁に語られるのがな。無論実質的に世相の牽引力になってるのは上位層だろうが。
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