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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (16)

  • 「No, thank you.」の消滅......アメリカは日本化しているのか?

    <日でもアメリカでも、ネットを介した短いコミュニケーションで関係性を悪化させないための知恵が必要に> 日の若者がLINEなどのメッセージで「句点(。)」を一切使わないということが、話題になっています。句点無しの短い文章を区切りながら繰り出すことで、リアルタイムのコミュニケーションを取るためのようです。それが完全に定着する中で、句点を使うことが「威圧感、怒りの感情」の表現として受け取られるようにもなっているようです。 若い人たちに指摘されて気付いたのですが、実はこれはアメリカでも全く同じです。短いメッセージをどんどん繰り出してリアルタイムの交信をする場合には、ピリオド(フル・ストップとも言います)を使いません。反対に、あえてピリオドで切るとそこには「納得していない」という拒絶や怒りのニュアンスが感じられるといいます。 英語の場合は、少しバリエーションがあり。二人称の you について、い

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    Gln 2024/02/01
  • トランプはなぜ中国を貿易で追い込もうとするのか?

    <米中交渉を前に再び中国製品に対する関税引き上げを宣言したトランプ。自国経済も傷つけかねない激しいやり方の背景には何がある> 日の10連休が続いている間にアメリカの株価は上がり続けていました。どうもアメリカ経済は底堅いということで、特に政府が3日に発表した前月4月の雇用統計は、驚異的な数字でした。農業部門を除く新規の雇用者数が26万人強の増加となり、予想を8万人近く上回ったのです。この結果、失業率は3.6%まで下がりました。 リーマンショック後の株安に沈んだ2009年の秋には10%の大台に乗っていたこともあることを思うと隔世の感があります。この3.6%というのは、1969年以来というのですから恐れ入ります。 トランプ政権は、ここへ来て「弾劾訴追」を受けることはなかったものの、独立機関として設置された特別検察官のレポートが公表される中で苦境に立っていました。ロシアとの「共謀ほどではないが協

    トランプはなぜ中国を貿易で追い込もうとするのか?
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    Gln 2019/05/08
  • カルロス・ゴーン逮捕、アメリカでどう報じられたか|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <ゴーン会長逮捕のニュースはアメリカで、企業経営者の強大な権力への批判だけでなく、グローバル企業のトップが日だけの事件で逮捕されることへの困惑と共に報じられた> 日産三菱・ルノーのカルロス・ゴーン会長の逮捕劇については、アメリカでは19日月曜の週明けに飛び込んできたニュースですが、それほど大きな扱いにはなっていません。地上波に当たる三大ネットワークやケーブルテレビでは、ほとんど報じられておらず、CNBCなど経済専門局が第一報と簡単な論評を伝えているだけです。 現時点では、アメリカでの見方は2種類に分かれます。1つは、企業経営者の強大な権力が起こした腐敗という見方です。つまり、日の検察当局の捜査を受けて、その「犯罪」の原因を推測したり、類似の事件について論じたりといったものです。 例えば、19日午前中のCNBCには、アメリカの「ビッグ・スリー」つまりGM、フォード、クライスラーの3社で副

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    Gln 2018/11/21
  • 「3.9+5.1=9.0」が、どうして減点になるのか?

    教育現場での一斉指導が困難となる一方で、悪しき「横並び主義」の束縛から逃れられない日教育は苦悩している> 脳科学者の茂木健一郎氏が、日の小学校における算数教育について問題提起をしています。氏のブログから該当する部分を引用してみましょう。 「昨日、小学校の算数のテストで、「3.9+5.1=9.0」と書いたら、減点されたというツイートが流れてきて、とてもびっくりした。これははっきり言って一種の子どもに対する「虐待」である。」 更に茂木氏は「これ以外にも、小学校の算数には謎の奇習があると聞く。」として、次のような例を挙げています。 「かけ算の順序、足し算の順序、という「問題」があって、2×3=6は正解だが、3×2=6は不正解、同じように2+3=5は正解だが、3+2=5は不正解、という「世界」があるのだという。」 まず、「3.9+5.1=9.0」ではダメという問題ですが、では正解は何かとい

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    Gln 2018/02/25
  • ピート・ローズの愚痴をスルーしたイチロー選手の「選球眼」

    <ピート・ローズが付けた、日米通算の安打記録への難癖を見事にスルーしたイチロー選手。ところが、この「ローズ発言」への反動から、アメリカで今回の偉業が大きく評価された一面もある> マイアミ・マーリンズのイチロー選手が、日米通算で4256安打の記録を越えて4257目を打ち「ピート・ローズを越えた」ことが、大きな話題となりました。 これに対して、ピート・ローズ人が「イチロー選手の記録達成まで3」という時点で「日の記録をカウントするのなら、自分の高校時代の安打数も入れてくれ」などと発言。さらには「タフィ・ローズ(元近鉄)が日で55ホームランを打ったが、アメリカではダメだっただろ」というような「屁理屈」まで付けました。 この発言に関して一つ指摘しておきたいのは、ピート・ローズという人物の立ち位置です。ローズは、レッズの監督時代の1989年に野球賭博への「関与」を指摘され、球界から今でも永

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    Gln 2016/06/24
  • 朝日「誤報」で日本が「誤解」されたという誤解

    いわゆる「従軍慰安婦」問題をめぐる証言記事に関して朝日新聞が誤りを認め、取り消したことに関連して、あらためてこの「従軍慰安婦」の議論が盛んになっています。その議論の多くは「誤報」、つまり「狭義の強制」があったと報道されたことで、「国際社会の誤解」を招いた朝日新聞には責任があるという考え方です。 例えば安倍首相は9月14日のNHKの番組で、朝日新聞が「世界に向かってしっかりと取り消していくことが求められている」と述べたそうですし、加藤勝信官房副長官も17日の記者会見で、「誤報に基づく影響の解消に努力してほしい」と述べています。 また朝日新聞の訂正直後に実施された、読売新聞の世論調査によれば、『朝日新聞の過去の記事が、国際社会における日の評価に「悪い影響を与えた」と思う人が71%に達した』そうです。 しかし、こうした「国際社会に誤解されている」という議論は、それ自体が「誤解」であると考えるべ

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    Gln 2014/09/18
  • 米「オバマ訪日」報道は、「寿司抜き」「安倍抜き」「尖閣抜き」

    中国・南宋時代の思想家、陳亮の「同床異夢」という言葉があります。同じことをやっていても、心の中ではまるで別の方向を向いているという意味ですが、今回の日米首脳会談については、正にこの「同床異夢」という表現が当てはまるように思います。共通の問題に関して討議がされており、表面的には両国の良好な関係が確認されたように見えますが、その一方で、日米の世論は余りにも「別の方向性を向いている」、そのことを図らずも今回の会談は浮かび上がらせたように思うからです。 そもそもアメリカでは今回の大統領のアジア訪問に関しては、それほど大きく取り上げられていません。例えば、オバマ大統領が羽田空港に着いたのが日時間の23日(水)の夕刻で、その映像はアメリカの同日の朝7時のニュースに間に合ったのですが、NBCの報じ方は「あのケネディ大使の赴任している日」にオバマが行っている、というまるで「セレブ大使」のスター性を前面

    米「オバマ訪日」報道は、「寿司抜き」「安倍抜き」「尖閣抜き」
  • 『永遠の0』の何が問題なのか?

    先月に一時帰国した際、評判の映画『永遠の0』を観ました。また、小説も評判であるというのでこちらも読みました。どちらもプロの仕事であると思います。技術的に言えば、ストーリー・テリング(物語の展開)だけでなく、セッティングやキャラクターの造形、そして何よりも時空を超えた大勢のキャラクターが、物語の進行とともに「変化していく」効果が見事です。 キャラクターの「変化」というのは、「成長」したり「相互に和解」したり、あるいはキャラクターに「秘められていた謎」が明かされたりしてゆくという意味です。そうした効果を、時空を超えた複数のキャラクターを使って、しかも2000年代と第二次大戦期という2つの時間軸の中で実現している、そのテクニカルな達成はハイレベルだと思います。 更に言えば、老若男女の広範な層にまたがる読者あるいは観客は、多くのキャラクターの中から自分の感情を投影する対象を見出すことができるように

    『永遠の0』の何が問題なのか?
  • 安倍首相はダボスで何を言ったのか? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    安倍首相はスイスのダボス会議の席上で、海外の記者との懇談の際に、英『フィナンシャル・タイムス』のギデオン・ラッチマン記者から「日中国の関係が戦争(war)に発展する可能性がある(conceivable)のではないか」と問われたところ、「今年は第1次大戦から100年を迎える年。当時、英独は大きな経済関係にあったにもかかわらず第1次大戦に至った歴史的経緯があった」と説明したといいます。 この「事件」に関しては、通訳が余計な文言を追加したためにトラブルが大きくなったという解説もあるようです。事の真相は、仮にビデオなり音声が残っているのであれば、それを検証する必要があると思いますが、問題は、このラッチマンという記者だけでなく、多くの有名なジャーナリストが「安倍発言に驚き、かなり深刻な報道をしている」という事実です。 特にアメリカのネット誌『インサイダー』のCEOであるヘンリー・ブロジェット氏は

  • 世紀の大傑作『かぐや姫の物語』にあえて苦言を一言

    ちょうど封切りの初日に間に合ったのは幸いでした。短い一時帰国の最後の晩、新宿のシネコンで観賞後に羽田発の深夜便で西海岸乗り継ぎで戻ってくるというのは強行軍に聞こえますが、その間、映画の余韻がずっと続いていたことで疲労も感じなかったぐらいです。 傑作だと思います。いや大傑作でしょう。 これはアニメーションというカテゴリに全く新しい次元を開いただけでなく、原作の『竹取物語』が千年を越える生命を保っているように、この作品も長い時間を越えて残っていく価値がある、それぐらいの作品と思います。 何よりも、日画や水墨画を思わせる「開かれた、そして動的なエネルギーのある線」の表現が、動画になることで、ここまでの表現力を獲得したということが画期的です。アニメは、ここに至って「輪郭線と塗りつぶし」という文法から解き放たれたのですが、そのことの意味がこれほどまでに説得力を持つというのは驚愕でした。 日画の影

  • 「国家戦略特区」構想で日米の株が暴落した理由

    6月5日に「内外情勢調査会」で行った講演で安倍首相は「成長戦略第3弾」を発表しました。ちなみに、既に発表された「第1弾」では「先端医療技術開発」に加えて、評判の悪い「3年育休」、第2弾は「農地集積で農業の競争力アップ」であるとか「クールジャパンのコンテンツ輸出促進」といった内容のものでした。 この第1弾と第2弾の内容は、規模的にも小さく、また説得力に乏しかったことから、今回の第3弾が期待されたわけです。ですが、結果的に東京市場はこの内容に対する失望売りとなり、時差の関係で後になったNY市場でも「アベノミクスへの失望と世界経済への悪影響」という材料から売りの口実にされてしまいました。 ロイターのリチャード・ハバード氏のコラムでは「成長目標だけが示されて、実行計画の中身がゼロ」。デジタルメディア「クォーツ」のマックスウェル・ワッツ氏は成長戦略の内容は「ひたすら退屈」。ヤフー金融面のビデオ、ダニ

  • 「橋下発言」はアメリカからどう見えるか

    所用でニュージャージー州外に行っていたのですが、その間にこの問題がどんどん拡大していたのには驚きました。現在の事態は、この欄で過去に申し上げた「管理売春は現代の基準では性奴隷」という指摘、また「国境を越えたコミュニケーションでは理念型の発信しか通用しない」というコメントが生かされなかった点、何とも残念に思います。以下は、とりあえず、現時点で気づいたことを箇条書きにしておこうと思います。 (1)アメリカなど欧米諸国はキリスト教国だから性的なタブーの強い「偽善的な国」だという主張があります。もしかしたら問題の奥の背景にはそうした宗教やカルチャーもあるのかもしれません。ですが、アメリカがいい例ですが、買春行為に対して社会が厳しい目で見ているのは宗教や文化のためではないと思います。核家族のイデオロギーが確立する中で、買春行為というのは、と子への裏切りであり、社会の最小単位である核家族を破壊し、自

  • 誤解されてしまった、ダルビッシュの「謙虚さ」

    メジャーリーグのオールスターが7月10日に迫る中、両リーグのメンバーが発表になりましたが、そこにレンジャースのダルビッシュ有投手の名前はありませんでした。取りあえず「最後の1人枠をかけた投票対象の5名」には入っているのですが、とにかく選出から外れたのは間違いありません。 私は、これまでの堂々たる成績、地元ならびに全米での話題性ということから考えると、出場は当然だと思っていました。それこそ、1994年度の野茂英雄投手のように、球宴の先発に指名されても全く不自然ではないと思います。しかも、アメリカンリーグの監督は、レンジャースのワシントン監督その人であり、更に言えばピッチャーというのは監督指名で決まるのです。 一体、何が起きているのでしょう? 1つには、ここ数年の躍進でレンジャースの全国的人気が高まる中、ファン投票でレンジャースの選手が3名(ハミルトン、ベルトレ、ナポリ)も選ばれたということが

  • 「ウォール街占拠デモ」はどこまで本気なのか?

    ここ数週間、ニューヨークのダウンタウンで続いている「Occupy Wall Street(ウォール街占拠デモ)」は、先週末にはブルックリン・ブリッジでの無許可行進をめぐって大量の逮捕者を出すと共に、ニュース・メディアに話題を提供した形になっています。一部の芸能人や、経済界でも例えばジョージ・ソロスなどはある種の理解をしているようですが、ウォール街の関係者とも言うべき多くの経済評論家は、デモに対して非常に冷淡です。 いつもはアナーキーな「アブないオジサンのキャラ」で登場するジム・クレマー(CNBC)などは、今回のデモに関してはジョークを飛ばすどころか、3日の月曜には「奴らには何の主張もないんですよ。バカバカしいだけです。それにTVで取り上げると警察が悪玉で、逮捕された連中が善玉になっちゃうでしょ。報道で取り上げるのも問題ですよね」あるいは「強いて言えば、カイロの切羽詰まったデモというより、ア

  • 「国内雇用」を守るために有効な政策はあるのか?

    小沢一郎氏と菅直人氏の間で戦われている民主党の代表選は、よく見てみると対立軸があるようです。菅首相が外需も含めた日の競争力維持を訴えているのに対して、小沢氏は内需中心の経済を指向(と主張)している点、菅首相が財政規律を意識しているのに対して、小沢氏は依然として財政出動に期待している点などには、明確なコントラストがあるようです。 中でも注目して良いのは、菅首相の陣営が「雇用」を優先課題に打ち出したことだと思います。過去50年の日では、好景気に沸いた高度成長・安定成長・バブルの時代も、その後の「失われた20年」も、政権がハッキリと国内雇用を守るという姿勢を取ったことはなかったからです。そこには明確な理由が3点ありました。 1つは、外需依存の貿易立国を貫くには自由貿易の建前は崩せなかったという点です。少なくとも農業は保護主義でしたが、農業を守るためにも工業製品の通商に関しては、ここ50年の日

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    Gln 2010/09/23
    日本で何らかのミスマッチを起こしている技術や人材を活用して、競争力を取り戻すには「高付加価値」でも「中付加価値」でもない「中の上付加価値」を狙うべき。既存の製品に付加価値を乗せて競争力を高める戦略
  • サンデル教授の哲学講義は特別でもなんでもない

    マイケル・サンデルというハーバードの先生の哲学の講義が面白いというので話題になり、TV番組化されて日でも中継されたり、サンデル先生自身が日の東京大学で模擬授業を行って喝采を浴びたりしているようです。当はこうした現象は70年代の後半ぐらいからスタートしていれば良かったのですが、遅いから無意味とは思えません。今からでも遅くないので、日でも高等教育の指導法としてこうした抽象的な論議の訓練ということを導入すべきだと思います。 まず、誤解を解きたいのは、このサンデル先生の講義というのは、私がビデオクリップで見た範囲では、サンデル先生の専売特許でも、ハーバードの特殊な優位性を表しているものでも何でもありません。確かに日常的な問題から抽象的な原理原則の話に気づかせるとか、学生の反応に当意即妙なレスポンスができるという意味では、教育者として優秀な資質を持った先生だと思いますが、アメリカの大学教育

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