死亡事故の波紋 今年5月に米テスラ・モーターズ製の電気自動車「モデルS」が引き起こした死亡事故が波紋を呼んでいる。同車種では「オートパイロット」と呼ばれる(限定的)自動運転機能が利用可能であり、事故を起こしたドライバーは高速道路を走行中に、この機能を利用していたからだ。 事故の具体的な様子は後述するが、自動運転中のモデルSは対向車線から左折してきた大型トレーラーと衝突。これがドライバーの死亡へとつながった。 ここ数年、グーグルや日米欧など世界各国の自動車メーカーは自動運転車の開発に注力し、一般道などで極めて長距離に及ぶ試験走行を重ねてきた。その過程で「接触事故」のような軽度のアクシデントは時折報告されたが、ドライバーや同乗者の死亡、あるいは重傷といった重大な事故はこれまで一度も起きたことはなかった。 このため順調に開発が進めば、今後、段階的に自動運転技術が自動車に導入され、2020年頃には