1人で行動する機会が増える小学1年生は、車社会と本格的に向き合うスタートラインでもある。道路に潜む危険をとらえて身を守る力がまだ十分でなく、事故を防ぐには大人たちの理解ある行動が欠かせない。 2014年2月、鹿児島市の小学1年生、徳永慎之介君(当時7)は下校後に友達の家で遊んだ。事故に遭ったのは、夕方の帰り道だった。 自宅まで350メートルほどの信号機のない横断歩道を、両親に教わったように手を挙げて渡った。左から乗用車が近づいてきた。それを見た別の車が危険を知らせるクラクションを鳴らしたが、身長120センチ弱の小さな体は乗用車にはね上げられた。 「しんのすけ」。慎之介君は、運び込まれた病院で自分の名前を口にした。胸を強く打ち、腕や足の骨は折れていた。事故から3時間半後に亡くなった。 刑事裁判の記録によると、60代の女性が運転する乗用車は時速40キロで走っていた。午後5時20分、対向車線には
![横断歩道、手を挙げていたのに 一人歩きの小1死亡:朝日新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9450593a03f8cc06c8c8c378310cab52e0ab34e7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.asahicom.jp%2Farticles%2Fimages%2FAS20170218002099_comm.jpg)