グラファイトの特性として、耐熱性、自己潤滑性、導電性、熱伝導性、耐酸性、耐アルカリ性に優れている上に、アルミニュームより比重が小さく熱膨張率が小さい。これらの特性を要する多種多用な用途・製品に用いられている。 歴史的な産業利用は16世紀前半にイギリスの湖水地方で発見された石墨鉱床が最初で、長い間鉛筆を製造したが、その他にも耐火物質として、製鉄やイギリスがスペイン無敵艦隊を撃破した16世紀後半には、砲弾の鋳型に使われた。また、粘土などと混合させたうえで鉛筆の芯としても利用される。またガスケットとして、耐熱性が求められる場合や、軸受など潤滑と気密の役割を同時に持たせる場合に用いられる。 原子核物理学分野 軽水には劣るが中性子を減速でき、中性子の吸収も少ないので、世界最初の原子炉「シカゴ・パイル1号」では減速材として使用された。現在でも黒鉛炉の減速材として使用されている。 工業分野 潤滑剤 黒鉛