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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (9)

  • フロリダの悲劇で大問題に発展した「正当防衛法」とは?

    2月にフロリダ州中部のサンフォードで発生した、住宅地の自警ボランティアによる黒人少年の射殺事件ですが、その後、このジョージ・ジマーマンという28歳の行為に関しては、全米を揺るがす論争に発展しています。 この問題ですが、白人が黒人を撃ってしまい、保守派は正当防衛を主張、一方でリベラルは有罪を要求するというような「典型的な」議論とは相当に異なっています。 問題を複雑にしているのは、2つの要素です。それは、ジマーマンという男性が白人でなくヒスパニックであること、もう1つはフロリダ州など南部に多い「正当防衛法(スタンド・オン・ユア・グラウンド・ロー)」が絡んでいるという点です。 やや大雑把な言い方になりますが、仮に今回の事件が「白人が撃った」ケースであれば、これほどの騒ぎにはならなかったと思われます。今回のような相当に一方的な射殺ということでもそうです。というのは、現在の大統領は黒人のオバマであり

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    HODGE 2012/03/31
    "ヒスパニックの人達というのは、多くのグループに分かれている一方で、その世論を束ねるリーダーも不在なのです。
  • 追悼、吉本隆明氏を送る

    87歳という高齢になるまで例えば糸井重里氏との対話など、批評家として時代を見つめていた活力もこの方らしかったように思いますが、その一方で、静かな亡くなり方にも吉さんらしさを感じます。エネルギッシュな言葉の奔流が暖かな余韻を残す一方で、ふっと立ち去るような訃報が不思議にバランスしているように思うのです。 バランスという意味では、60年近い間、厳しい発言を続けると同時に、言葉への責任感を忘れない方でした。吉さんの言葉はこれからも日の「戦後」の記録として古びることはないと思いますが、その説得力も責任感ゆえだと思います。 古びないということでは、私は吉さんの再評価というのは必要だと思います。漠然と学生運動や左翼運動の理論的支柱だったというようなイメージで、冷戦型の対立が消えたのと同じように、吉さんの思想も時代遅れになっていったと社会的には思われています。批評家の吉隆明というより「よしも

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    HODGE 2012/03/17
    「日本赤軍がイスラエルでテロを起こしたのは、最も不幸な被害者に同伴すれば救われるという誤った思想の悲惨な末路」
  • 支持率調査のグラフに見る政治の「困難」とは?

    野田内閣の支持率が低下し、不支持の方が上回ったという報道が今週の前半に流れました。解説としてはTPPや消費税などの問題が影響しているという意見が多いのですが、グラフを見ると、そうとも言えないようです。TPPや消費税が原因であるのなら、10月から11月にかけて急落しているはずですが、決してそうではないのです。 支持率のグラフは、NHKやJNNなどの報道機関の示しているところによれば、9月の政権発足当時には60%だった支持率が12月には37%に低下、同じく不支持が18%から42%に上昇(数字はNHK)しているのですが、そのどちらのグラフも直線なのです。勿論、調査の間隔が空いているので、正確に直線というのは単純すぎる分析になりますが、少なくとも9月、10月、11月、12月の4回の結果を並べてみると、ほとんど直線的上にプロットできるのは確かです。 ということは、内閣支持率はTPP反対とか消費税アッ

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    HODGE 2011/12/17
    ”アメリカの大統領制と比較すると、日本の議院内閣制というのは任期中での総辞職や不信任、解散という形で間接的にも直接的にも民意が反映できるシステムなのです”
  • 薄日の差してきたアメリカ経済、政局への影響は?

    支持率低迷にあえぐオバマ、それに対して攻勢をかけるティーパーティー、民主党支持の若手は「雇用」と「格差」への怒りからデモを継続、その全てが「内向き」・・・今年、2011年の秋、アメリカの政界はそんなムードが固定していたように思います。固定というよりも、ハッキリ言えば「沈滞ムード」と言っても構わないでしょう。 ですが、12月に入ってこの雰囲気に少し変化が出てきました。まず、アメリカの様々な経済指標が上向きになってきたということが挙げられます。11月25日の「ブラックフライデー」つまり感謝祭翌日の一斉バーゲン日の売上は、空前の「前年度比6・6%アップ」という数字、また翌週11月28日の「サイバーマンデー」という通販サイトのバーゲン日の売上は、速報値によると「前年度比20%アップ」と伝えられています。 更に雇用統計も、労働省発表の11月の月次失業率では、8・6%と久々に9%を割り込む一方で、民間

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    HODGE 2011/12/07
    ”モルモン教という少数派宗教のバックグラウンドがそんなに心配なのでしょうか? 私は違うと思います。ロムニーが「中道実務派」であることが、どうしても「乱世」には相応しくない”
  • 「橋下イズム」と「ティーパーティー」その同時代性 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    予想通りの圧勝でした。大阪市の橋下候補はともかく、大阪府の松井候補も大差での勝利、しかも歴史的な高投票率ということですから、この選挙結果は無視できません。それにしても、アメリカで見ていて思うのは、日米の政治風土が酷似しているということです。 非常に小さな例では、例えば私の住んでいる地区では、大学町のプリンストンでも似たような事件がありました。町の中心部にある自治区(プリンストン・ボロ)と、その周辺を取り囲むような町(プリンストン・タウンシップ)というのは、コスト配分を巡る争いから100年以上分裂した自治体を形成していたのです。ですが、今年行われた住民投票の結果で、最合併することになりました。その目的は単純で行政二重コストの削減です。試算によれば、合併後の全域で、固定資産税の減税が可能になるというのです。勿論、リストラの痛みは伴いますが、双方での住民投票の結果ですから仕方ありません。 このプ

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    HODGE 2011/11/28
    ”「日の丸・君が代」で攻めれば「敵はきっとイデオロギーから反発して感情的になる」だろうというのが彼等の「狙い」/オバマやヒラリー…草の根の民主党はそこまでバカではない”
  • オリンパス事件、それでも残る疑問とは?

    実際の価値とかけ離れた巨額の企業買収費用や、常識はずれのアドバイザー料支払いなどで、少なくとも1200億円というカネが「消えた」オリンパスの事件は、昨日の社長記者会見で「先送りされた損失の穴埋め」という事件の真相が明らかになりました。10月28日にこの欄でお話した仮説は残念ながら的中してしまった形です。 とにかく、こんな巨大な金額は一部経営陣の私利私欲で動くレベルは超えていますし、反社会的な行為として脅されたとか騙されたにしても、そこまでスケールの大きな「ワル」が日に存在するはずもなく、こうした経緯でしか説明がつかないと思っていましたが、やはりそうでした。 1つ思うのは、行為の反社会性、違法性はともかく、このストーリーで「妙に納得」してしまったということに、私自身がまだまだ「日の悪しきビジネス風土」の感覚を引きずっている、肯定しないまでも発想法として染み付いているということを自覚させら

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    HODGE 2011/11/10
    ”過去の経済スキャンダル同様に「失踪者」が出て詳細はウヤムヤになるのではというような観測もありますが、そんなことは絶対にあってはなりません。国の恥です”
  • 「フジ子・ヘミング現象」の何が問題なのか?

    ピアニストのフジ子・ヘミング女史のリサイタルを聞く機会がありました。場所は、ニューヨークのリンカーンセンター内のアリス・タリー・ホール。東日大震災のチャリティーという主旨もあって、多くの聴衆が集まっていました。その聴衆ですが、ザッと見渡したところ95%は日人のようで、場内のアナウンスも日語だけであったり、在米日人コミュニティーのイベントということは明らかでした。改めて日でのフジ子人気の凄さを感じさせられました。 リサイタルの内容ですが、一部で言われているような「超スローテンポ+旋律の濃厚な味付け」のユニークな演奏というのではなく、端正でロマンチックな普通の演奏でした。確かにテンポに変化をつける部分はありましたが、一小節内のリズムは良くも悪くもメトロノームを刻むような正確さがあり、節度を崩した演奏という印象はありませんでした。 メカニックにしても解釈にしても最近のピアノ界の様々な「

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    HODGE 2011/09/29
    日本のクラシック音楽ファンは大抵、アドルノの『音楽社会学序説』とか読んでいるから「安易な感動」に批判的なのでしょう。
  • 保守派も感動させたオバマの追悼演説、ペイリンと明暗を分 ける

    アリゾナ乱射事件の続報です。現地時間の12日(水)の晩、アリゾナ州ツーソンのアリゾナ大学では、オバマ大統領を迎えた追悼集会が行われました。オバマは「責任をなすりあうのではなく、団結して品位あるデモクラシーを実現しよう」「(殺された9歳の少女が)夢見たようなアメリカにしよう」と、選挙戦当時のオバマに戻ったような熱のこもったスピーチを展開、会場だけでなく保守派のFOXニュースの解説委員たちをも感動させるという結果で、政治的にも成功しています。 一方のペイリンは、この集会に先立って水曜朝にフェイスブックにビデオメッセージを寄せて沈黙を破ったのですが、髪型を変え、相当練習した形跡があるものの、自分たちへの政治的非難に対して反論してしまったスタイルが共和党系の人々からも猛反発を受けています。「アリゾナの事件はペイリンのカトリーナだ」という言い方もされ始めていますし、超党派での追悼集会が大成功だっただ

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    HODGE 2011/01/13
    "保守派のFOXニュースの解説委員たちをも感動させるという結果で、政治的にも成功"
  • 「グラウンド・ゼロ」の「モスク」論争はどうして政治問題化したのか?

    穏健イスラム教グループによる、マンハッタン島の南部、トライベッカ地区に「イスラム・コミュニティ・センター・パーク51」を建設する計画が明らかになると、一気に全米での論争に火がつきました。9・11のテロで世界貿易センターが倒壊した、いわゆる「グラウンドゼロ」から2ブロック離れただけの場所に、イスラム教のモスクが建設されるのは「テロ攻撃によってこの地がイスラムに支配される」ことになり、「敵の勝利を許すもの」というのが反対論者の主張です。 これに対して、ニューヨークの地元は冷静です。ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーク市長は「私有地に宗教施設を建設するのは憲法に認められた自由」だとして、反対論に対抗していますし、全国レベルでの調査では反対論が70%(今週に入って加速しているようです)という数字もある一方で、マンハッタン島内の世論は、48%が賛成、36%が反対と賛成論が多数になっています。 こ

    HODGE
    HODGE 2010/08/19
    "信教の自由を絶対視しなくては「やっていけない」マンハッタン島内と、保守的な草の根リベラルを抱えた「アッパーステート」という…州都オールバニとの「温度差」"
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