「1970年代の頭というのは、政治の季節、70年代安保の時代でございます。あとは音楽の季節。1960年代から70年代というのは、文化の最先端が音楽でありました。それはレコードという1930年代ぐらいから作られはじめた音楽を記録する手段、それと録音技術のテクノロジーが1960年代から飛躍的に発展しまして、それまでは演奏の記録といいますか、そうしたものだったのが、レコードのなかの音世界というか、そういうものを探求する技術がものすごく発達しまして、音楽が、いろいろな絵画、演劇、文学といった文化がありますが、音楽がなによりも最先端になった時代です。そこに1970年代政治の季節、70年代安保という騒乱の時代がくっつきまして、たくさんのドロップアウトが生まれまして、そのドロップアウトした人たちが、ほとんど音楽の世界へ入り込んできたという、そのおかげで、それまでの日本の音楽にはなかったムーヴメントという