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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (11)

  • ピケティらが陥った所得データの陥穽? ~パススルーをスルーしては駄目よの巻~ - himaginary’s diary

    こちらのツイートで、「ピケティらが陥った所得データの陥穽?・続き - himaginary’s diary」で紹介したPiketty, Saez, and Zucman(PSZ)とAuten=Splinter(AS)の論争に進展があったことを知った。具体的には、AS論文がJournal of Political Economyの今年7月号に掲載された一方で、PSZ側が改めて反論論文を更新し、それをZucmanが連ツイで解説している。 その連ツイの中でZucmanは、メリーランド大のDaniel Reckの連ツイにリンクしている。これは、ReckとJohn Iselin(同じくメリーランド大)が書いた論文をReck自身が解説したものである。そこでは、ASが非申告所得の配分において錦の御旗のように掲げていたランダム監査データを使うことの問題点について指摘しているので、以下に紹介してみる。 Jo

    ピケティらが陥った所得データの陥穽? ~パススルーをスルーしては駄目よの巻~ - himaginary’s diary
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    HiiragiJP 2024/08/05
  • 移民は高卒以下の給料を引き上げた - himaginary’s diary

    という趣旨のNBER論文が上がっている(H/T タイラー・コーエン)。論文のタイトルは「Immigration's Effect on US Wages and Employment Redux」で、著者はAlessandro Caiumi(UCデービス)、Giovanni Peri(同)。 以下はエドワード・コナードによるまとめ記事における3つの要点。 新たな移民が大卒に集中していることと、大卒と非大卒の間の相補性により、2000-2019年の移民流入は、高卒以下の学歴を持つ在来市民の賃金の伸びに1.7%から2.6%寄与した。 このグループの実質賃金の伸びが2000-2019年に5%から6%のマイナスだったことを考えると、顕著な押し上げ効果と言える。 大卒の移民が大量に流入したにもかかわらず、移民と在来市民との間の相補性により、大卒の人における競争効果の大半は緩和ないし逆転した。 その結

    移民は高卒以下の給料を引き上げた - himaginary’s diary
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    HiiragiJP 2024/05/06
    移民に大卒が多いってのがアメリカならではな事情な気がする。日本には大学出てまで来てくれるのだろうか
  • トランプは良いこともするのか? - himaginary’s diary

    サマーズが第二次トランプ政権の危険性について深刻な懸念を表明している。 以下は12/20ツイート。 The @FT's Unhedged asked me about the macroeconomic implications of a second Trump term: When you have a president who challenges the results of elections and brags about what he could do in one day as a dictator, it is not something that can be completely relied on. That is a profound threat to our long-run prosperity, and therefore short-run asse

    トランプは良いこともするのか? - himaginary’s diary
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    HiiragiJP 2024/01/31
    トランプが大統領になると思うと本当に辛い
  • 最低賃金引き上げは失業率を上昇させるか? - himaginary’s diary

    民主党の最低賃金を1000円に引き上げる構想が波紋を呼んでいる。 論壇では、山崎元氏が、民主党の政策は大幅な失業増を招くとして批判的である。この山崎氏の批判についてはすなふきん氏も大いに同意している。 一方、EU労働法政策雑記帳の濱口桂一郎氏は、一気に1000円に持っていくのは無理と断りつつも、その方向性に基的に賛意を表し、山崎氏の見解に反対の姿勢を見せている。また、勝間和代氏は、今年初めの毎日新聞HP上の「クロストーク」で既に同様の提案をしている。 こうした最低賃金の経済学的論点については、「日労働研究雑誌」での大竹文雄氏と橘木俊詔氏の対談において網羅的にまとめられている。そのほかの参考になるサーベイとしては、日総研のレポート、青学の金俊佑氏の卒業論文、高崎経済大学論集の石井久子氏の論文をネットで読むことができる。 純粋に経済理論的な立場から言うと、マンキューが2006/12/2

    最低賃金引き上げは失業率を上昇させるか? - himaginary’s diary
  • インフレ加速仮説の死 - himaginary’s diary

    5/11付けエントリでクルーグマンが以下の2枚のグラフを示している。 クルーグマンによれば、これらの図は自然失業率仮説がもはや成立しなくなったことを意味するという。曰く: Underlying the natural rate hypothesis is “accelerationism”: the idea that low unemployment will lead not just to high inflation, but to accelerating inflation, and conversely that high unemployment will not just reduce inflation but lead to ever-falling inflation. Accelerationism used to look like a pretty good

    インフレ加速仮説の死 - himaginary’s diary
  • 有効求人倍率の内訳 - himaginary’s diary

    最近の人手不足は人口減少によるものであり、しかも人口の高齢化を反映して求人は介護関係に偏っている、という話を時々耳にする。 この話の前段に対しては、労働力人口は増加している、という反論がなされることが多い。それに対しては、いや、増えているのは女性や高齢者で、働き盛りの男性は減っている、という指摘も良くなされる。 試しに総務省統計局のHPから年齢階級別の労働力人口を落として描画すると以下のようになる。 これではわかりにくいので前年差の推移をみてみる。 これをみると、確かに労働力人口は増えているが、15-65歳の男性は減っており、増加を支えているのは女性と65歳以上の男性であることが分かる。 では、冒頭の話の後段はどうだろうか? 総務省の同じページから産業別就業者数を落として同様に前年差を描いてみたのが下図である*1。 分かりやすくするために「医療・福祉」を赤色にしてみたが、確かに他の産業の増

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    HiiragiJP 2018/01/06
  • 紙幣印刷の経済学 - himaginary’s diary

    High Security Printing Asiaなる会議*1が今月初めにメルボルンで開催され、オーストラリア準備銀行のAssistant GovernorのLindsay Boultonがオープニングスピーチを行った(H/T Mostly Economics)。 以下はその概要。 高度な証券印刷のアジア市場は、経済や所得やインフラの成長に支えられ、生産額にして過去10年間に年間およそ6.5%伸びた。しかし、伸び率は落ちてきている(10年前は約11%→5年前は約5.5%)。部門別の要因はあるものの、デジタル技術の発達が伸びの低下の共通要因となっている。 しかし、伸びの低下という全般的な傾向に反する部門が2つある。一つはチケット印刷で、これは公共輸送インフラの発達による。ただ、これもデジタル技術の影響で今後の伸びは鈍化するだろう。面白いことにもう一つは紙幣で、10年前の年間4%から201

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    HiiragiJP 2017/12/11
  • 経済を名刺交換してみると。 - himaginary’s diary

    一昨日紹介したカンザスブログの経済学者たち、およびビル・ミッチェルというオーストラリアの経済学者は、金融政策でマネーサプライがコントロールできるという考え方に否定的である。彼らは、7/18エントリで紹介したように、教科書的な貨幣乗数理論を否定しており、量的緩和の効果も否定している。 そこでさらに、民間の資金需要がマネーサプライを決めるのだ、中央銀行はそれに対し受動的にハイパワードマネーを供給するだけなのだ、と言ってしまうと、昔懐かし翁−岩田論争における日銀理論ということになるが、彼らの考えはその斜め上を行っている。というのは、彼らはハイパワードマネーをコントロールするのは政府の財政である、と主張しているからである。もちろん、中央銀行の準備預金操作といった金融政策もハイパワードマネーを増減させるが、彼らの中では、それはどちらかというと脇役扱いである。基的に、彼らにとってハイパワードマネーと

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    HiiragiJP 2017/11/29
  • ノーベル賞経済学者は格差拡大をどう見ているか - himaginary’s diary

    引き続きリンダウ・ノーベル賞受賞者会議ネタ。同会議では、格差に関する懸念が大物経済学者から相次いで表明された、とシティ大学ロンドンのSteve Schifferes金融ジャーナリズム教授がThe Conversationで報告している(H/T Mostly Economics)。 以下は同記事に記された各学者の指摘の概要(括弧内は受賞年)。 ジャン・ティロール(2014) 経済格差はそれ自体が「市場の失敗」の一形態。 格差拡大の政治や社会への影響が、トップクラスの経済学者の関心をますます集めているのは確か。 ジェームズ・ヘックマン(2000) 他の西側民主主義国に比べて米英で格差が急速に拡大した。富裕層を優遇する税制変更がその主因。 社会の移動可能性がとりわけ所得の低い人で低下したことも懸念要因。 過去数十年に急増した一人親家庭の多くが低所得であったことも、格差拡大に寄与した。 ワーキング

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    HiiragiJP 2017/09/03
  • 国債バブルと貨幣バブル - himaginary’s diary

    24日エントリに対し、「信用を失う国債を抱えることでインフレーションが起きたとしても、それは好景気を意味しない」というはてぶコメントを頂いた。しかし、そこで見落とされているのは、そもそもインフレーションというものが、いかなる形であれ、貨幣という中央銀行の債務が「信用を失う」ことに相当する、ということである。中銀と政府を一体として考えるならば、貨幣が信用を失うことも国債が信用を失うことも一体政府の債務の信用が失われる点で差はなく、「信用を失う国債を抱えることでインフレーションが起きる」という表現は、単なるトートロジーに過ぎなくなる。あるいは、クラウゼヴィッツの言葉を借用して表現するならば、「国債の信用の喪失とは、他の手段をもってする貨幣の信用の喪失の延長(もしくはその逆)」なのである*1。 裏を返せば、国債への過剰な信用の結果生じる国債バブルは貨幣バブルの延長(もしくはその逆)、ということに

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    HiiragiJP 2012/11/27
  • 国際化すれば日本経済も回復する - himaginary’s diary

    と浜田宏一氏が学士会会報の最新号に書いている。 以下、該当箇所の引用。 トービン教授は、人々の資産選択活動を分析してマクロ経済学と結び付けた大きな業績があり、1981年のノーベル経済学賞を受賞しています。日経済は、今デフレと円高にさいなまれ、先進諸国の中でもテール・エンドを歩んでいます。資産選択理論を応用すれば、このような状態は、日銀行が発行できる資産であるマネーサプライを「上手に」増やしてやれば解決できます。これが世界に通用する経済学の常識です。 これに対して、日経済学者、エコノミスト、それにマスコミは日銀行の宣伝にも影響されてか、「金融政策はデフレ解消、円高防止、不況脱却に効かない」という日独自の俗説に凝り固まってきました。したがって、日経済学者、そしてメディアが真に国際化すれば、日経済も回復しうるはずです。(現に2012年2月14日の日銀行のインフレ・ゴールの宣言

    国際化すれば日本経済も回復する - himaginary’s diary
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    HiiragiJP 2012/07/06
    なんでも国際化すればいいというものではないが、金融政策については日本当局の怠慢だと思う。もっともいまの仕組みが変わらないのは政治が動かないからで、政治が動かないのは国民の関心が低いからだが
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