東京電力福島第1原発事故で全域避難となった福島県浪江町津島地区の住民らが、東電や国を訴えた控訴審。今年5月、裁判長らの現地訪問の際、東電の弁護団が原告個人の個別賠償額をマイクで読み上げるという非常識な行動があり、深く傷ついた原告らが11月、東電側に抗議文を出していたことが分かった。(片山夏子)
「クリハラリス」(タイワンリス)が神奈川県内で増え続けている。「かわいい」では済まされない。日本の固有種を減らし、森や農産物に被害を与える特定外来生物に指定されているリスだ。研究者たちがネットワークをつくり、対策に乗り出した。リスの生息調査と捕獲活動に同行した。
グーグルマップで遊んでいたら、北太平洋にぽつんと浮かぶミッドウェー諸島に、明治時代の「櫻井又五郎」という名の墓を見つけた。 墓の存在に気づいたのは2020年9月。新型コロナウイルス「第2波」で自粛ムードが漂う中、せめて旅行気分だけでも、と(グーグルマップで)太平洋の島々を巡っていた時だった。 深夜にスマホの中の墓を見つめながら、素朴な疑問が浮かんだ。100年以上も昔、櫻井さんはなぜこんなところに? こつこつと調査を重ね、結論には至っていないが、ひとまず経過をまとめてみたい。何か情報をお持ちの方は、ぜひお寄せください。(デジタル編集部・谷岡聖史) ミッドウェー諸島(環礁) ホノルルから約2000キロ北西、東京都心から約4100キロ東南東にあり、主に大小2島からなる。世界複合遺産でもある北西ハワイ諸島の一部だが、行政上はハワイ州ではなく、米連邦政府の魚類野生生物局が直接管理する。長らく無人島だ
われわれが繰り返し聞かされてきた、南海トラフ地震の30年以内の発生確率が「70〜80%」という国の予測(80%予測)。それがどう計算されたのかはほとんど知られていない。その確率の根拠が江戸時代に港を管理していた役人の一族に伝わる古文書だと、知り私は驚いた。 南海トラフ地震 静岡県の駿河湾から九州沖の海底に延びる溝(トラフ)沿いで起きる巨大地震。過去1400年の歴史上、100〜200年間隔で大地震が起きている。政府の中央防災会議は2012年、最悪の場合、死者が約32万人に上ると想定。地震調査委員会は13年に南海トラフ全域でマグニチュード(M)8以上の巨大地震が30年以内に起きる確率は60〜70%と発表。18年には年数の経過により70〜80%と引き上げられた。
島津製作所(京都市)が製造した医療用エックス線装置を巡り、保守と販売を担う子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に回路を遮断するタイマーを仕掛け、故障を装って部品を交換していたことが本紙の取材で分かった。病院は交換修理費として200万円超を支払った。島津製作所は社内調査していることを認め、自社のホームページに「事実関係が明らかになり次第、しかるべき対応を行う」とのコメントを出した。 両社の関係者は25日、この病院を訪れて謝罪し、概要を説明した。営業所を所管する熊本県は、メディカル社などから聞き取りをする考えを示した。病院を運営する自治体は、代金の返還を求めることも視野に検討するとした。 部品を交換していた装置は、エックス線で体内を撮影しながら映像を見られる「エックス線テレビシステム」で、この病院には2009年に設置された。関係者に
日本手話㊧と手指日本語㊨の違いを実演する、国立障害者リハビリテーションセンター学院手話通訳学科の木村晴美教官。同学科のYouTube動画から。解説動画作成は慶応大・松岡和美研究室 6月に「東京都手話言語条例」が制定された。しかしこうした条例を巡っては、いくつかの大きな問題が存在する。そのひとつ、手話という語が何を指すのかについて言語学的な立場からの議論を紹介しよう。 手話言語条例 ろう者の全国団体「全日本ろうあ連盟」が2010年から、手話言語法、手話言語条例の制定運動を進めており、同連盟のモデル案を元に多くの条例が作られている。同連盟ウェブサイトによると7月11日現在の制定数は、34都道府県を含む456自治体。
その時、「わけあり記者」こと私、三浦耕喜(52)は、我が身中の「暴風雨」に打たれて、渾身(こんしん)の力で耐えていた。腕時計で時間を確認する。「あと二時間、いや、三時間か…」。安堵(あんど)とも焦燥ともつかない心持ちで、再びまぶたを閉じ、暴風雨の渦中へと、沈んでいくのであった。 私が何をしているのか。悪化の一途をたどるパーキンソン病に反転攻勢をかけるべく、脳の外科手術「DBS(脳深部刺激療法)」を受けると決意したことは、先月の当欄でご報告した。確立された術式とはいえ、脳に触れるのである。手術の費用も、そこそこの車が買える額に匹敵する。 従って、この手術は受ける人を選ぶ。手術で症状が顕著に改善できそうか、まだ養うべき家族がいるか。そのような社会的背景をも吟味して、手術に適応した人を選ぶ。実際、手術を希望し、本当に受けられるのは、二十人に一人だそうだ。私はそのための検査入院として、とある総合病
「こんぴらさん」の愛称で知られる香川県琴平町の金刀比羅宮(ことひらぐう)は17日、神社本庁(東京都渋谷区)から離脱したと発表した。離脱の理由は、昨年11月の天皇陛下の即位関連儀式「大嘗祭(だいじょうさい)」を地元で祝う「大嘗祭当日祭」を巡り、本庁が約束していた供え物「弊帛料(へいはくりょう)」(5000円)が届かなかったためという。 同宮は大正天皇の大嘗祭で創作された歌舞(うたまい)を宮内省の楽師から指導してもらい、約100年前から「讃岐風俗舞(さぬきふうぞくまい)」として継承し、当日祭でも披露した。皇室との特別な縁を誇りとするだけに、本庁の対応を「天皇陛下に対しても不敬極まりない行為」と批判していた。 同宮は2月に離脱方針を決めて法的手続きに入り、10月20日に文部科学相から離脱が認証されていた。今後は単一の宗教法人として宮司交代などを判断できる。幣帛料は今年1月末、本庁の地方機関の香川
タイの民主活動家の男性が亡命先のカンボジア・プノンペンで何者かに拉致され消息を絶ったとして、国際人権団体が真相究明を訴えている。タイでは2014年の軍事クーデター以降、近隣のラオスやベトナムに逃れた人のうち少なくとも8人が同様に失踪。一部は遺体で発見されたという。両政府の関係当局は調査の姿勢は示しているが、動きは鈍い。 (バンコク支局・岩崎健太朗、写真も) 「う、息ができない」 6月4日夕、ワンチャラーム・サタシットさん(37)は買い物に出たアパート前の路上で、バンコクに住む姉のシタナンさん(47)と電話中にうめき声を残し、会話が途絶えた。何らかの事故に遭ったと思ったシタナンさんは、すぐに弟の友人に連絡した。友人は20分後、「落ち着いて。弟は拉致された」と知らせてきた。目撃者や防犯カメラ映像から、武装した数人の男に車で連れ去られたとわかった。 タイの民主化を求める活動家のワンチャラームさん
将棋の公式記録が存在しない「忘れられた棋士」がいる。大棋士・升田幸三実力制第四代名人や大山康晴十五世名人のライバルと目されながら、結核で早世した松田辰雄八段(一九一六~五五年)。その棋譜を将棋研究者二人が発掘し、今月、同人誌「不撓(ふとう)」として出版した。成績から「当時では最強」との分析もある非運の棋士の指し手が、没後六十五年を経て現代によみがえった。 (樋口薫) 二人は、けんゆうさん(本名非公表)と小笠原輝(あきら)さん(35)=川崎市。いずれも会社勤めのかたわら、趣味で将棋の古い資料を調べている。それぞれ「将棋棋士成績データベース」「将棋棋士の食事とおやつ」というウェブサイトで調査結果を報告している。 戦後の観戦記を読み込む中で、二人は松田の存在を知った。対戦相手から「目が怖い」と恐れられ、「闘志の人」と評される強豪なのに、今では知る人がほぼいない。「光を当てたい」と意気投合し、約一
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く