「視覚とも触覚とも異なる『近接覚』は人間にはない感覚」。この近接覚を検知するセンサー(近接覚センサー)の開発者で、事業化のためベンチャーを設立する大阪大学基礎工学研究科システム創成専攻助教の小山佳祐氏は、近接覚をこう説明する。近接覚センサーは単なる距離センサーとは異なり、対象物体の姿勢も検知できる。数cmにまで近づいた物体の距離や向きを高精度で検知するため、「ロボットのハンドが触れる前から対象物体を検知し、つかみ方を調整する」(同氏)といった使い方が可能だ。 なぜこのようなセンサーを発想したのか。きっかけは、同氏が高等専門学校の学生だった時期にまでさかのぼる。全国高等専門学校連合会とNHKなどが主催する「高専ロボコン(アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト)」に出場し、2007年と08年の全国大会で準優勝した経験だったという。 同氏が高専ロボコンで感じていたのは、練習場所と大会会
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