あらゆる生物にとって「誕生」とともに避けることができないもの。それがいつの日か訪れる「死」だ。 現役時代は香港ヴァーズ(G1)を制し、種牡馬として3冠馬オルフェーヴルや宝塚記念(G1)連覇のゴールドシップなどを送り出してきたステイゴールド(父サンデーサイレンス)が5日、大動脈破裂のために北海道苫小牧市の社台ホースクリニックで死亡した。21歳だった。 「狂気の馬」といわれることが多い。ふるさと案内所でも見学に際して注意を呼びかける1頭だったのかもしれないが、ブリーダーズ・スタリオン・ステーションやビッグレッドファームの放牧地でみるステイゴールドは、決して狂気の馬なんかではなかった。 たしかに、ときおり見せる脚蹴りのスピード、一瞬の身のこなしなどには目を見張るものがあったが、いつもゆっくりと放牧地全体を歩き回っている、そんな印象が強い。 もちろん、直接触れたことはないが、馬房から顔をのぞかせる