シリアで行方不明になっていたフリージャーナリスト安田純平さん(44)が23日、解放されたと菅義偉官房長官が発表した。安倍晋三首相は今回の解放にはカタールとトルコの協力があったと明かし、河野太郎外相は「健康状態は一見すると良い」と述べた。2015年6月に安田さんが行方不明になって3年以上が経つ。なぜこのタイミングで解放に至ったのか。友人であり、フリージャーナリストの常岡浩介さん(49)に話を聞いた。
江川紹子(えがわ・しょうこ)/ジャーナリスト。1958年、東京都生まれ。神奈川新聞記者を経て、フリーのジャーナリストに。オウム問題や冤罪事件、災害など、国内外のさまざまな問題に取り組む。95年、一連のオウム報道で菊池寛賞を受賞。大のオペラ・クラシック愛好家としても知られる。著書に『特捜検察は必要か』(岩波書店、編著)など多数。自身のツイッター(@amneris84)やヤフーニュース「江川紹子のあれやこれや」で旺盛な論評も展開している。(撮影/大野洋介・写真部)この記事の写真をすべて見る 長きにわたってオウム真理教の取材を続けてきたジャーナリストの江川紹子さん。事件から何を教訓とすべきなのか、そして江川さんの目に現代社会はどう映るのか、作家の林真理子さんが聞きました。 * * * 林:地下鉄サリン事件から23年ですが、あのころよりも生きづらい感じがしますか。自民党総裁選で、安倍(晋三)さ
全学連新委員長の高原恭平氏(撮影/小林哲夫)この記事の写真をすべて見る 全学連新委員長の高原恭平氏(撮影/小林哲夫) 9月1、2日、中核派・全学連大会が開かれた。 【写真】マイクを持って語る中核派全学連新委員長の高原氏 同大会で全学連委員長に高原恭平氏が就任することが発表された。高原氏は1996年生まれの21歳。東京大教養学部2年生である。 中核派、全学連……。 最近では聞き慣れない言葉が並んだので、すこし解説しよう。 中核派は正式名称、革命的共産主義者同盟全国委員会のこと。警察からは極左暴力集団、マスコミからは過激派、論壇からは新左翼と呼ばれている。革命をめざしている政治団体だ。 中核派は63年に結成、60年代から70年代前半の学生運動が盛んだったころ、大学でバリケード封鎖、街頭で火炎ビン投てきなど過激な闘争を繰り返してきた。 80年代も三里塚闘争(成田空港反対運動)では、空港に突入しよ
EXITのウェブページには「あなたの退職を完全代行」の文字(EXIT提供)この記事の写真をすべて見る 代表の新野さん(右)と岡﨑さん。ともに平成元年生まれ。(「EXIT」提供) 総務省統計局が公表する労働力調査によると2017年の転職者数は311万人。過去5年をさかのぼると、年々増加傾向にある。”転職熱”が高まる中、あるサービスが話題になっている。 【写真】「EXIT」を運営する2人はともに平成元年生まれ。「顔を出すのは初めて」だという 「退職代行」。文字通り、退職に必要な会社との連絡を担うサービスだ。 「リピートいただいているお客様もいますよ」。そう明かすのは退職代行サービス「EXIT」を運営する新野俊幸さん(28)と岡崎雄一郎さん(29)。新野さん自身もこれまでに3社を渡り歩く経験をしてきたが、退職時の引き留めや調整に苦労したことからサービスを立ち上げた。 昨年春にサービスを開始し、5
自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長 (c)朝日新聞社 この記事の写真をすべて見る 民進党の小西洋之参院議員 (c)朝日新聞社 「おまえは国民の敵だ!」 防衛省の統合幕僚監部に勤務する30代の3等空佐が、野党議員に対して浴びせた罵声が物議を醸している。 4月16日午後8時40分頃、民進党の小西洋之参院議員は東京・永田町の参院議員会館を徒歩で出たところで、ジョギング中の3等空佐の男性と遭遇した。 小西氏がこう語る。 「歩道上で出くわしたところで、ぱっと視線を向けられたので、私は目礼しました。その男性は走りながら、何度も私のほうを振り返ったので、そのたびに目礼しました。国会図書館前の交差点で立ち止まると『小西か?』と声を掛けられました」 以下、小西氏の記憶をもとに事の経緯を詳述する。 「はい、小西です」と答えると、いきなり「おまえ、ちゃんと仕事しろ!」などと絡んできたというのだ。 「一般の方からも
米山隆一(よねやま・りゅういち)/1967年、新潟県生まれ。92年、東京大学医学部卒。97年、司法試験合格。2003年、米ハーバード大学付属マサチューセッツ総合病院研究員。11年、医療法人理事長、弁護士事務所代表。16年、新潟県知事に初当選。弁護士であり、医師(撮影/写真部・片山菜緒子)この記事の写真をすべて見る 国会議員から「死ね」という言葉まで平然と吐き出されるSNSの言論空間。炎上覚悟で果敢に発信する米山隆一・新潟県知事に聞いた。 * * * 原発再稼働を最大の争点として野党共闘で新潟県知事選に勝利した米山隆一知事(50)。しばしば炎上する「つぶやく知事」としても注目を集める。 ──頻繁なツイートは公務に限らず、国政や政治家の発言にも及びます。 自由主義、民主主義、人権の尊重、平和主義。それらを基盤に政治家は選挙で選ばれています。SNS上の言論空間が国民全体の雰囲気をつくるのに大
店長の小西勇輝さん(右)とスタッフの神崎さん(撮影/写真部・大野洋介)この記事の写真をすべて見る 「ミドレンジャー」をイメージして作ってもらったカクテル[千円](撮影/写真部・大野洋介) 世界にはばたいた“クールジャパン“が今夏、日本に逆上陸する。7月15日公開の映画「パワーレンジャー」は、20年以上、アメリカで戦い続けてきた“アメリカ版スーパー戦隊“だ。ロングヒットを続けるまでに成長した秘訣をひもとく。 【写真】「ミドレンジャー」をイメージしたカクテル * * * 東京都港区の新橋駅前のSL広場から徒歩3分ほど。雑居ビルの地下に下りると、小さなバーがある。「特撮ヒーローBAR 俺の部屋」。11席のカウンターだけの店内には「スーパー戦隊シリーズ」をはじめ特撮ヒーローのグッズや出演者のサインが2千点近く飾られている。ファンだけでなく、業界関係者も訪れる“聖地”だ。 店長の小西勇輝さんは、
著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。主著『日本中枢の崩壊』『日本中枢の狂謀』(講談社)など。「シナプス 古賀茂明サロン」主催この記事の写真をすべて見る 加計学園問題で一躍注目を浴びることになった国家戦略特区諮問会議とその下にあるワーキンググループ(WG)。諮問会議の議長は安倍晋三総理だが、民間議員やWG委員には、竹中平蔵氏をはじめ、小泉純一郎内閣の時から自民党政権のブレーンを務めているバリバリの政策通が名前を連ねている。 加計学園獣医学部の新設が認められた経緯を見ると、疑惑だらけと言っても良い状況だ。加計孝太郎理事長と安倍総理、萩生田光一官房副
稲田朋美防衛大臣 (c)朝日新聞社この記事の写真をすべて見る 「安倍首相ガンバレ」を叫ぶ子どもたち、教育勅語を朗唱させる幼稚園……。森友学園問題に端を発して「右翼」という人たちが、にわかにクローズアップされている。AERA 2017年5月1-8日号では「右傾化する日本」を大特集。深く、静かに進行していたこの社会の右傾化は、人びとのどのような思いから発しているのか、取材した。 * * * 「今は国家の危機です」 都内の某コーヒーチェーン店に、白須夏さん(50)の甲高い声が響く。白須さんが店を貸し切って開いたのは、いわゆる“婚活パーティー”だ。 集まったのは男女約20人。サンドイッチをつまみながら自己紹介をしていく。それが終わればいよいよメインイベントのライブの始まりだ。心地よいギターの音色に合わせて、白須さんが口ずさむ。 「海ゆかば 水漬(みづ)く屍 山ゆかば 草生(む)す屍」 ギタリス
駒の動かし方を動物の動きなどに例えて教える。初心者でもすぐに対局できるようになるという(撮影/岡田晃奈)この記事の写真をすべて見る 「経堂こども将棋教室」を主宰する高野さん(44)。「勉強が忙しくなり辞める子もいます。将棋をやっていたことは集中力アップの役に立つ」と話す(撮影/岡田晃奈) 漫画「3月のライオン」が人気化する一方、将棋は教育の一環としても注目され始めている。集中力や持続力、相手のことを察する力。学校教育の現場で注目されているこうした基礎力が身に着くという。将棋教室に行ってみた。 土曜日の午後。都内駅前の雑居ビルの3階にある将棋教室に、次々と子どもたちが集まってきた。小学生が中心だが、中には幼稚園児もいる。 小学校低学年くらいの男子生徒が、 「こんにちはー」 と挨拶をして教室に入ってくると、先生の指示に従って、同じ年くらいの対戦相手と向かい合って席についた。すぐに将棋の駒を丁寧
3月10日に会見し、小学校の設置認可申請を取り下げたと表明した籠池氏この記事の写真をすべて見る 急転直下の展開だった。森友学園の籠池泰典理事長が3月10日、小学校の設置認可申請を取り下げ、理事長も辞任すると表明したのだ。 前日の籠池理事長は、「教育勅語のどこが悪い」と報道陣にまくし立てるなど雄弁だった。その生中継を見た自民党本部では「何を言い出すかわからない」と悲鳴が上がったという。だが、補助金の不正受給の疑いも浮上し、万事休すとなったようだ。舞台裏ではいったい、何が起こったのか。 10日に会見した籠池氏は、「私どもが提出した審議会に対しての資料が流出した。自治労か労働組合から出たんじゃないか」 など、マスコミや大阪府への恨み節を語る一方、 「国会の方から何も口利きしていただいておりません。安倍首相、昭恵夫人から何かしていただいたことはありません」と”口利き”を否定した。 籠池氏の親族はそ
合格を喜ぶ佐藤亮子さん(写真部・加藤夏子)この記事の写真をすべて見る 息子3人を灘中・高校から東大理III(医学部)に合格させた「佐藤ママ」こと佐藤亮子さん=奈良市在住=の長女(18)が10日、東大理IIIに現役合格した。子ども4人全員が理IIIに進学することになる。 長女は洛南高校に在学。女性なので兄たちほど体力がないため、無理に詰め込まず、体調を見ながら、佐藤ママがスケジュール管理をしたという。目に涙を浮かべながら、佐藤ママは「プレッシャーのある中でよく頑張ってくれました」と話した。 佐藤ママは元英語教師。専業主婦として3人の息子の受験を成功させた経験を著書「受験は母親が9割」(朝日新聞出版)にまとめ、「親が徹底的にサポートすれば子は自分で勉強するようになる」と説いて注目を集めた。 同書では「勉強机はリビングに」「母が勉強のスケジュールを立てる」「遅刻は厳禁。時計は20分早くしておく」
「この世界の片隅に」こそ、海外輸出にふさわしい作品だこの記事の写真をすべて見る 戦時中の呉・広島が舞台のアニメ映画「この世界の片隅に」が公開から1カ月あまりが経った。興行収入は4.5億円を超えるヒットとなっている。総制作費は約2.5億円。その一部がインターネット上で有志の寄付を募る「クラウドファンディング」で集められた点でも話題となった。 仕事柄、主人公のすずと同世代かその下ぐらいの、日本国内の、いわゆる銃後で戦争を経験した人の話をうかがう機会も少なくない。 こうした方々にとって終戦時の第一の感覚としてあるのが、皆共通して「生き残ってよかった」と口々に話す点だ。そして、「これからどうしよう」という言葉が続く。ここの部分、頭では理解したつもりになるのだが、彼らがなぜそう感じるのか、うまく論理的に説明できず、なかなか実感が湧かないでいた。 「この世界の片隅に」もそれが描かれているのだが、自分が
東京都知事 小池百合子 こいけ・ゆりこ 1952年、兵庫県生まれ。カイロ大学文学部社会学科卒。アラビア語通訳を経て、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」などでキャスターとして活躍。92年、政界に転身し、参議院議員1期、衆議院議員8期連続当選。2003年9月に環境相就任。07年には女性初の防衛相就任。7月31日の東京都知事選で291万2628票を獲得し、2位以下の候補を大きく引き離して当選。8月2日、女性初の東京都知事に就任(撮影/植田真紗美) 都知事選から1カ月あまり。精力的な活動で、一挙手一投足がマスコミに報じられる小池百合子東京都知事。作家・林真理子さんとの対談では、政策面の展望について話していただきました。 * * * 林:小池さんは交友関係が広いから応援してくださる方も多いと思うけど、「あれやれ」「これやれ」とかピーチクパーチク、いろいろ言われて大変なんじゃないですか。 小
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