「マンガとゴシック」第9回:楠本まき『KISSxxxx』論 前篇——キュアーで踊る、ハッピーゴスの誕生 「楠本まき『KISSxxxx 愛蔵版1 〈楠本まきコレクション〉』(小学館)」 ポジティヴ・パンク/ゴスロックを描いた初のマンガ 水野英子『ファイヤー!』が先鞭をつけ、上條淳士『TO-Y』が中興の祖となり、のちにハロルド作石『BECK』、矢沢あい『NANA』、浅野いにお『ソラニン』などヒット作の百花繚乱となる「バンド漫画」の系譜が日本にはある(島田一志『ロックコミック』に詳しい)。その中でも孤高と言ってよいカルト的な立ち位置にあるのが、楠本まき『KISSxxxx』ではなかろうか。 もしかするとマンガ史よりも、サブカルチャー史全体に与えた影響の方が甚大かもしれない。(おそらく嶽本野ばらの啓蒙も後押しして)世代を超えて読み継がれるゴスロリのバイブルとなっている、というのがまず一つ。また、愛蔵
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