偏差値52からスタートし見事京都大学に合格した農業研究者・篠原信氏は、水耕栽培の分野にて続々と新規技術を開発している。同氏は書籍『ひらめかない人のためのイノベーションの技法』(実務教育出版)にて、「センスがなくても創造的な仕事を生み出すことは可能である」と断言しているが、その根拠は何だろうか? 本連載でひも解いていこう。 ある日、新聞を読んでいると、嫁さんから「ねえ、今日、こういうことがあって…」と話しかけられた。しばらく会話して、新聞に戻った。ええと、どこの記事だったかな。ああ、これこれ。話の筋が分からなくなったな。最初から読み直すか。 「ねえ、こんな面白いことがあったんだけど…」とまた話しかけられた。ふんふん、と話を聞いたあと、新聞記事を読み返そうとするが、またもや何の話だったか分からなくなったので、もう一度最初から読み返すことに。 「あ、あれ見て!」――もうこらえられなくなって、「新